小平 インでも問題なし!2年間の経験でキツい第1カーブの滑り向上

[ 2018年2月18日 19:43 ]

平昌冬季五輪 スピードスケート女子500メートル ( 2018年2月18日 )

スピードスケート女子の小平
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 【きょうのツボ教えます】スピードスケート女子500メートル・黒岩敏幸

 スピードスケートの500メートルは平昌五輪から6大会ぶりに一発勝負に戻った。インスタートとアウトスタートに有利、不利はあるのか。92年アルベールビル五輪男子500メートル銀メダリストの黒岩敏幸氏(48)は、18日の女子500メートルでインスタートとなった小平奈緒(31=相沢病院)の金メダル獲得に太鼓判を押した。

 500メートルの歴史を振り返ると、94年リレハンメル五輪までは一発勝負だった。当時はスピードに乗って、きつい第2カーブ(内側)を滑るアウトスタートが不利だと考えられていた。実際、私が銀メダルを獲得した92年アルベールビル五輪のレースはインスタート。私はアウトスタートだと、いつも第2カーブの出口で大きく外に膨らんだ。もしアウトスタートだったらメダルはなかったと思っている。

 公平にしようと98年長野五輪からインとアウトの両方のレーンから1回ずつスタートして合計タイムで競う方式に変わった。しかし、年々選手のカーブの滑りは向上し、ほぼタイム差はなくなった。道具の面では曲げ(靴のブレードをカーブと同じ方向に弧を描くように曲げること)が当たり前になり、滑りの研究が進んで氷を横から長く押す技術も高くなったからだ。近年はむしろ緩い第1カーブ(外側)で加速でき、バックストレートで同走者を追えるアウトスタートの方が有利と考えられている。

 インスタートかアウトスタートかは抽選で決まる。小平はインスタートとなったが、問題ないと断言できる。W杯ではランク順で決まるため、1位の小平は約2年間ずっとインスタートで滑ってきた。以前は腰より頭が下がる前のめりな姿勢で足が流れやすかったが、今は「怒った猫」と言われるように、腰が低いまま、頭や肩の位置が高くなり、氷を押せる時間が長くなった。きつい第1カーブ(内側)の滑りが向上し、苦手意識もなくなっている。

 7日のタイムトライアルでは、昨年このリンクで行われたプレ大会の37秒13より速い37秒05で滑っている。アウトスタートとなったライバルの李相花(イサンファ)も調子を上げており、36秒台の争いになるだろう。会場の雰囲気を考えれば、地元の李と同組にならなかったこともプラス材料だ。優勝タイムは36秒5〜7ぐらいを予想するが、小平にはその力が十分にある。 (92年アルベールビル五輪500メートル銀メダリスト)

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2018年2月18日のニュース