谷口劇場、気分イ～グル！　首位と５差もあきらめん

７番でチップインイーグルを決めた後、“再現シーン”で誇らしげにボールを掲げる谷口

男子ゴルフツアー　マイナビＡＢＣチャンピオンシップ第３日

（10月31日 兵庫県加東市　ＡＢＣゴルフ倶楽部＝７１３０ヤード、パー７１）
　谷口徹（４７＝フリー）がイーグルで見せ場をつくり、逆転圏内にとどまった。１イーグル、５バーディー、３ボギー、１ダブルボギーの６９をマークして通算５アンダー。３年ぶりの通算２０勝目へ５打差逆転をもくろむ。賞金ランク１位の金庚泰２９＝韓国）は６８を出し、Ｈ・Ｗ・リュー（３４＝韓国）とともに通算１０アンダーで首位に並んだ。

　喜んで、怒って、沸かせる谷口劇場だ。６番でダブルボギーを叩いた直後の７番パー４は打ち下ろしでピンまで３２０ヤード。第１打はグリーン右に外れ、２０ヤード弱のアプローチが残った。ふわりとグリーンに乗せるとチップインイーグルだ。

　さあ、見せ場。クラブをくるりと投げ、キャッチ…するはずがつかめない。ギャラリーを笑わせた後は今度は激怒だ。カップをのぞくと、そこにあるべきボールがない。同組の選手のキャディーが先に拾い上げ、好意でボールをタオルで拭いていたからだ。「なんで拾ってるんや！」。ボールを奪い取ると、カップにボールを入れた。そして自ら拾い上げ、誇らしげに右手を上げた。“再現シーン”に観客は強制的に？沸かされたが、本人は意気揚々。その後、５バーディーを奪取。首位と５打差にとどめた。

　「取るのはアカンでしょ。（イーグルで）ボールを拾い上げるシーンを想像してたんだ」とラウンド後も不満げだが、最終日については「はまれば分からない。パットも調子がいい」とやる気。上位５人は海外勢だが、２日連続の谷口劇場でハッピーエンドを狙う。