白井 2年ぶり床で金!ひねりだけじゃない!宙返り系大技決めた!

[ 2015年11月1日 05:30 ]

種目別の床で優勝した白井(AP)

体操世界選手権第9日

(10月31日 英国・グラスゴー)
 “ひねり王子”が金メダルを奪回した。体操の世界選手権第9日は31日、英国グラスゴーで行われ、種目別決勝・男子床運動で白井健三(19=日体大)が16・233点で2年ぶりに優勝。Dスコア(演技価値点)が7・6点というハイレベルな演技構成で、ライバルを圧倒した。あん馬の萱和磨(18=順大)は15・500点で銅メダルを獲得した。

 キングとの会話が白井の余裕を物語っていた。試合前、内村から「おまえは200%勝つから」と言われると、サラリと答えた。「勝ちますよ」。自身の名がつく「シライ2」(前方伸身宙返り3回ひねり)の着地が乱れたが、メンタルは乱れない。「2年前もこんな感じだった。あっ、懐かしいって思った」。宙返り系の大技「リ・ジョンソン」(後方抱え込み2回宙返り3回ひねり)に加え、ドリルのような「シライ/ニュエン」(後方伸身宙返り4回ひねり)でフィニッシュだ。

 「大過失がなければ優勝は決まっていると思っていた。体が覚えている通りにやった」

 驚異のひねりで世界を制した13年。当時と今の自分を比べ、「10回対戦したら、9回は今の僕が勝つ」と言う。「今はミスしても立て直せるし、いつもいいイメージが持てる。気持ちの強さが全然、違う」。今春、日体大に入学して練習量が高校時代の1・5倍に増加。Dスコア7・6点の驚異的な構成をほぼ毎日通すことで、安定感が増した。

 まだ19歳だが、もう3度目となる大舞台。もともと緊張とは縁遠い白井は、今回も試合会場の外ではリラックスしていた。「試合の2日も3日も前から緊張したって、何もいいことないじゃないですか」。大会期間中も隣の部屋に届くくらいの大声で笑い、日本から持ち込んだ焼き肉のたれをペンネにかけて自分好みの味に改良。食事でもひとひねりし、自然体を貫いた。

 16年リオデジャネイロ五輪に向けても期待が高まる。「今回で世界はビックリしたと思う。来年はもっともっと攻めていきたい。来年の自分がもっと楽しみ」。大本命で迎える初の夢舞台へ、“ひねり王子”の進化は止まらない。

 ◆白井 健三(しらい・けんぞう)1996年(平8)8月24日、神奈川県出身の19歳。両親が指導者で3歳から体操を始める。13年世界選手権で床運動優勝。神奈川・岸根高出、日体大1年。1メートル62、51キロ。

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