羽生「ぼう然」SPまさかの6位 3季ぶり5位以下発進

[ 2015年11月1日 05:30 ]

男子SPでジャンプの着氷でバランスを崩し、コンビネーションが2回転となった羽生

フィギュアスケート GPシリーズ第2戦スケートカナダ第1日

(10月30日 ナダ・レスブリッジ)
 プリンスがまさかの出遅れだ。男子ショートプログラム(SP)で、14年ソチ五輪金メダリスト・羽生結弦(ゆづる、20=ANA)は73・25点の6位。4回転トーループが規定に満たない2回転になるなど、2つのジャンプが0点になった。村上大介(24=陽進堂)が80・88点でトップ。女子SPは16歳の永井優香(16=駒場学園高)が63・35点で2位、村上佳菜子(20=中京大)は59・79点で3位につけた。

 ロケットスタートどころか、まさかの事態で大きく出遅れた。演技を終え、観客の声援に応える羽生の表情がさえない。「ずっと、ぼう然としていた」。世界歴代最高の101・45点をマークしている得意のSPで、73・25点の6位発進。SPでトップ5に入れなかったのは13年世界選手権の9位以来、3シーズンぶりだ。

 冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は、出来栄え評価でMAXの3点を引き出す最高のジャンプ。絶好のスタートを切ったが、基礎点が1・1倍になる演技後半のジャンプで落とし穴が待っていた。4回転トーループ(基礎点11・33点)は回転が抜けて2回転で着氷した。SPでは2回転は加算されず0点に。直後に予定した3回転ルッツ―3回転トーループ(同11・33点)もトーループが2回転に。同じジャンプを繰り返したため、この連続ジャンプも0点になり、基礎点だけで22・66点を失った。

 今季初戦だった10月のオータム・クラシックでも演技後半の4回転トーループに失敗。「体の調子は良かった」。よほど悔しかったのか、リンクを去る際には、この日も失敗したトーループの踏み切りを確認していた。「何が駄目だったか振り返る気持ちにまだ切り替わっていない。新しい(失敗)パターンだと思う」と唇をかみしめた。

 休養から復帰した元世界王者・チャンとの対決が注目された一戦。先に滑ったチャンが精彩を欠き、わずかな余裕が生まれたことが演技に影響した。「一個一個(の要素)に集中はしていなかったのかもしれない」。GPファイナル3連覇に向けて最悪のスタート。救いは、トップの村上大との差が7・63点しかないことだ。31日(日本時間1日)のフリーで逆転を狙う。「思いきってやるだけ」。ミスは繰り返さない。3度の4回転ジャンプを決めて、五輪王者の意地を見せる。

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