元露鵬らの大麻使用認定 相撲協会の解雇は「当然」

[ 2010年4月19日 17:55 ]

判決を受け、報道陣の質問に答える元露鵬(右)、元白露山の兄弟

 大麻の陽性反応が出て日本相撲協会を解雇されたロシア出身の元露鵬、元白露山の兄弟が、「薬物検査や解雇の手続きに問題があった」として協会に力士の地位確認などを求めた訴訟の判決で東京地裁は19日、「陽性反応を示した尿はいずれも本人のもの」と認定、兄弟側の請求を棄却した。

 兄弟は「大麻を吸引しておらず、検査結果は疑わしい」と主張していたが、渡辺弘裁判長は判決理由で「協会の薬物検査で他人のものが混入した可能性は考えられない」と指摘。「薬物が深刻な社会問題となっていることも考えれば、大麻の使用が認められた兄弟を協会が解雇したのは当然」と結論付けた。
 兄弟の代理人の塩谷安男弁護士は、控訴する方針を明らかにした。
 判決によると、協会は兄弟とは別のロシア人元力士が大麻取締法違反容疑で警視庁に逮捕されたのを機に2008年9月、十両以上の力士を対象に尿検査を実施。1回目の簡易検査、2回目の精密検査でいずれも大麻の陽性反応が示されたとして兄弟を解雇した。
 訴訟では証人として相撲関係者らも出廷。協会の北の湖前理事長や再発防止検討委員会の委員長を務めた伊勢ノ海親方(元関脇藤ノ川)らが解雇の経緯や正当性を主張。
 一方、元露鵬の師匠だった大嶽親方(元関脇貴闘力)は「精密検査に応じさせたのは『クビにしないから』と協会側に頼まれたからだ」と兄弟をかばった。

続きを表示

2010年4月19日のニュース