孔明 男泣き開幕連覇!賞金王へ2枚看板に挑戦状

[ 2010年4月19日 06:00 ]

4ホールにわたるプレーオフを制し、仲間に胴上げされる小田孔明

 小田孔明(31=フリー)が開幕戦連覇で男泣きした。男子ゴルフツアー東建ホームメイト・カップ最終日は18日、三重県桑名市の東建多度カントリークラブ・名古屋(7081ヤード パー71)で行われ、2位に1打差の単独首位で出た小田孔は4バーディー、4ボギーの71でスコアを伸ばせず、通算1アンダーでホールアウト。丸山大輔(39=アイテック)、広田悟(36=TOSHIN)とのプレーオフを4ホール目で制し、ツアー通算4勝目を挙げた。池田勇太(24=日清食品)は71で回り、通算4オーバーの16位だった。

【最終R成績


 18番パー4で行われたプレーオフ。1時間に及んだ死闘は4ホール目で決着した。小田孔は残り150ヤードの第2打をピン左手前5メートルにつけた。ラインはスライスからフック。「考えるより信じて打った」。願いを乗せたボールがカップに沈む。右手で力強くガッツポーズ。だが、その後は頭を抱え、肩を震わせながらしゃがみ込んだ。「じーんときた」。瞳からは自然と熱いものが流れ落ちた。

 開幕戦は2年連続でプレーオフの末の勝利。スピーチでは「今季の目標は賞金王になって(来年)マスターズに出ること。石川遼君や池田勇太君だけでなく、小田孔明も応援してください!」と高らかに宣言した。

 同じ優勝でも昨年とは意味が違う。「今年は成長というよりも、あきらめちゃいけないんだという気持ちを持ち続けることができた」という。猿にボールを持っていかれる騒動もあった初日は43位と出遅れたが、その後の2日間で盛り返した。最終日はショットが乱れたが、プレーオフに踏みとどまった。3人でのプレーオフは広田が脱落し、丸山大との我慢比べとなると、「丸山さんはボギーを打つ人じゃない。いつ終わるのかと心が折れそうになった」が、「折れたら負け」と言い聞かせ、この日22ホール目で最高のバーディーを奪った。強い心が一回り大きくなった証拠だった。

 今年は「賞金王になる」としたためて親しい人に年賀状を送った。あえて自分にプレッシャーをかけて夢への思いを強くした。16日に2歳の誕生日を迎えた長男・龍亮(たつあき)君は小田孔のクラブでボールを打とうとするなど、ゴルフに興味を持ち始めたという。最愛の子のためにも最強の称号を手に入れたい気持ちは強い。

 予選ラウンドで同組だった石川と池田は米国帰りの疲労もあって万全ではなかった。「体調は悪そうだったけど、いずれあの2人は来る。2人が来る前に2、3勝はかましたい」。自称“ミスター連覇”が、日本ツアーの2枚看板に挑戦状を叩きつけた。

 ◆小田 孔明(おだ・こうめい)1978年(昭53)6月7日、福岡県田川市出身の31歳。東京学館浦安高卒業後、研修生を経て00年にプロ転向。07年に初シード。昨年は賞金ランク3位。通算4勝はカシオワールド(08、09年)と東建ホームメイト(09、10年)で「ミスター連覇」。血液型A。1メートル76、85キロ。家族は妻・扶美さん(28)、長女・舞遙(まはる)ちゃん(8)、長男・龍亮(たつあき)君(2)。

 ≪丸山大プレーオフで力尽く≫丸山大は、プレーオフ4ホール目に5メートルのバーディーパットがカップに蹴られ優勝を逃した。「最後しかバーディーチャンスにつけられなかったのが敗因。プレーオフはバーディーを取らないと勝てない」と反省。また2ホール目で脱落した広田は「開幕でこの成績なら赤飯です」と笑顔。オフは片山晋呉、湯原信光に指導を受け「表現は違うが同じことを言っているのが分かった」と5年ぶりの2勝目に手応えを感じていた。

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2010年4月19日のニュース