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岩渕 バイエルン“同僚”ゲッツェ再現だ、切り札弾決める!

[ 2015年6月27日 06:58 ]

練習を終え笑顔でバスへ向かう岩渕。ねでしこジョーカーは準備万端だ

女子W杯準々決勝 日本―オーストラリア

(6月27日 カナダ・エドモントン)
 W杯カナダ大会で連覇に挑むなでしこジャパンは27日午後2時(日本時間28日午前5時)からオーストラリアと準々決勝で対戦する。25日(同26日)は非公開練習を行った。オーストラリアとの対戦経験がないFW岩渕真奈(22)は得意のドリブルで相手をかく乱。同じバイエルン・ミュンヘンに所属する男子ドイツ代表FWマリオ・ゲッツェ(23)のように、W杯の大舞台でジョーカーとして勝利を決めるゴールを狙う。

 右膝打撲から復活した岩渕は、出遅れた分だけ誰よりもゴールに飢えている。オーストラリア戦もジョーカー起用が確実だが、もちろん狙うは自身のW杯初ゴール。「そろそろ得点が取りたい。流れを変えるだけでは結果として残らない。目に見える結果がほしい」。飾り気のない言葉に、思いの強さをにじませた。

 世界一に上り詰めるには、切り札の活躍が不可欠だ。前回11年ドイツ大会は初戦ニュージーランド戦で決勝点につながるFKを自ら獲得。ドイツとの準々決勝ではFW丸山がゴールを決めた。一発勝負だからこそ、途中出場の選手の活躍が勝敗を左右することも理解している。「この舞台を経験させてもらって、今後は責任を持ってやっていく」。18歳でW杯を制覇したことで芽生えた自覚。未来のエース候補は何よりも結果を求めている。

 国際Aマッチ出場27試合の岩渕だが、実は、オーストラリアとはフル代表での対戦経験がない。「同じ世代も多くて、知っている選手もいる。負けたくない」。ケガから復活した今大会はエクアドル、オランダ戦で途中出場。1メートル55の小回りが利く体を生かし、細かいボールタッチで相手をかわす独特のドリブルから、積極的な仕掛けで攻撃にアクセントを加えた。さらに、エース大儀見との連係にも定評がある。初対戦の相手にとっては、これほど厄介な存在はない。「(相手の守備は)映像だけでなくて、試合でも見られるので」。すでに、ベンチから戦況を見極め、弱点を突くプランも立てた。

 昨年5月にドイツのバイエルンMに移籍し、同国女子リーグを制覇。昨年の男子W杯ブラジル大会決勝で決勝弾を決めた同じバイエルンMのゲッツェの動きは、これ以上ない教材だった。ランチを食べながら男子の非公開練習を見て、特徴の似たドイツの新星のプレーをじっくり目に焼きつけてきた。今年2月に右膝外側側副じん帯を部分断裂した時も、欧州CLに足を運んで動きをチェック。「めったにないですよね。凄くいい経験」。今大会では、W杯優勝に貢献したゲッツェの姿に自らを重ね合わせている。

 「ドイツでやってきた自信がある」。あとはゴールという結果を出すだけ。最強の切り札が、爆発する準備を整えた。

 ◆マリオ・ゲッツェ 本職はトップ下でサイドや2列目、1トップもこなすプレーメーカー。1メートル76と小柄だが、ドリブルやパスで狭いスペースをこじ開けるプレーが持ち味。ドルトムントのユース出身で、09年に17歳でブンデスリーガデビュー。10~11年シーズンはMF香川の負傷離脱後に主力に抜てきされ、リーグ優勝に貢献した。13年にバイエルンM移籍。フル代表は10年に18歳でデビューし、昨年のW杯ブラジル大会決勝アルゼンチン戦は途中出場。0―0の延長後半8分に左クロスを押し込み、ドイツに6大会ぶり4度目の世界一をもたらした。

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