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準Vフランスに続き…前回王者イタリア敗退

[ 2010年6月25日 06:00 ]

<イタリア・スロバキア>まさかの1次リーグにぼう然とするイタリアの(左から)ディナターレ、ピルロ、イヤクインタ

 連覇を目指したイタリアが、1勝もできずに敗退した。24日にW杯1次リーグF組の最終戦でスロバキアと対戦し、2―3で敗れた。前回大会覇者が1次リーグで敗退するのは、02年大会のフランス以来の屈辱。前回大会準優勝のフランスも敗退しており“ファイナリストの共倒れ”は史上初となった。

【試合結果
F組日程・結果、順位表


 敗北を見届け、イタリアのリッピ監督は敵将に握手を求めることなくロッカーへと向かった。DFカンナバロ主将は泣きじゃくるFWクアリアレッラを抱き起こした。2分け1敗で敗退。開幕前に想像もできなかった波乱続きのW杯の波に、前回王者がのみ込まれた。
 「最後の試合にしたいだなんて誰も思っていない」と指揮官が語気を強めて臨んだ一戦。しかし、気持ちだけで戦えるほどW杯は甘くなかった。
 前半25分にMFデロッシが自陣で不用意なパスをカットされ、先制を許した。後半11分には大会直前に左ふくらはぎを痛め、回復が遅れていたMFピルロを投入して早くも交代枠を使い切った。必死の反撃。後半22分にはクアリアレッラのシュートがゴールラインを割ったかに見えたが、ライン上の相手選手に右ひざでブロックされた。28分にスキを突かれて2点目を失ってもあきらめず、36分にはFWディナターレがゴール。リスタートに向けたボールの奪い合いで両チームの選手が激しくもみ合う場面もあった。44分に失点。それでもロスタイムに1点を返した。王者の意地は示したが、最後は力尽きた。
 23人の平均年齢28歳9カ月はイタリアのW杯史上最年長。前回優勝メンバー9人を含むベテランに頼った指揮官は「1年の長丁場ならともかく、1カ月なら23、24歳の選手より34、35歳の選手の方が重要になり得る」と訴えたが、守備の要となるべきカンナバロは失点に絡み、GKブッフォンは離脱。この日が初出場だったMFガットゥーゾは前半で退き、司令塔ピルロは初出場した3戦目の途中からわずかに輝いたのみだった。
 「誰もが突破を夢見たが、失敗したのはわれわれの責任。勝てなければただちに帰国するしかない」とはブッフォン。1勝もできず36年ぶりの1次リーグ敗退。屈辱とともに王者が姿を消した。

 ≪初の屈辱…1勝もできず≫06年ドイツ大会の優勝国・イタリアが1次リーグで姿を消した。イタリアの1次L敗退は74年大会以来、9大会ぶり。2分け1敗での終戦だが、イタリアが大会中に1勝もできなかったのは出場17回目で初めてだ。前回優勝国の1次L敗退は50年イタリア、66年ブラジル、02年フランスに続いて4度目。準優勝国のフランスも敗退しており、前回の決勝戦進出チームがともに出場していた大会で、両チーム1次L敗退はW杯史上初だ。また、イタリアの1試合3失点は70年決勝・ブラジル戦(●1―4)以来40年ぶり。

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2010年6月25日のニュース