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遠藤、会心の感触「蹴った瞬間、入ると思った」

[ 2010年6月25日 09:35 ]

<デンマーク・日本>前半30分、2点目のFKを放つ遠藤保仁

 【W杯1次リーグE組 日本3―1デンマーク】前半30分、ゴール正面25メートルからのFK。既に1点を決めていた本田も蹴りたがったが「オレが蹴る」と制した。「GKが動かないのは分かっていた。壁も甘かった」。遠藤の右足から放たれたボールは壁を巻き、ゴール右隅に吸い込まれた。「蹴った瞬間、入ると思った」。会心の感触が右足に残った。

 4年前の前回大会はメンバーに選ばれたが出場機会がなかった。「個人的な感情は出さないようにしている」としながらも、その悔しさを晴らすかのように、初戦のカメルーン戦、第2戦のオランダ戦はチームトップの約11キロを走った。もちろんこの日も献身的にピッチを駆け回った。そのことを聞かれると、いつも淡々と答える遠藤がめずらしく語気を強めた。「こんな大舞台で走れない選手は交代するべきだ。苦しくなってもチームのためにさらに走れるようにしたい」。それがチームに対する忠誠心の証しだと言わんばかりだった。

 「チームが一つになってこの結果を成し遂げたことに満足している」。得点後はベンチで見守っていたリザーブ選手のもとへ駆け寄った。遠藤のまわりに黄色いビブスを着た選手たちの歓喜の輪ができた。試合に出られない選手のためにも――。自らと重なるリザーブ選手たちへの思いを、ほんの少しだけ垣間見せた。

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2010年6月25日のニュース