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“エースキラー”長友にバーミンガムがオファー

[ 2010年6月25日 06:00 ]

バーミンガムが獲得に名乗りを挙げた日本代表DF長友

 イングランド・プレミアリーグの強豪バーミンガムが、日本代表DF長友佑都(23=FC東京)獲得に動き出したことが24日、明らかになった。関係者によれば、非公式ながら完全移籍での獲得オファーが長友サイドに届いた。W杯南アフリカ大会で対戦国のエースを封じて評価が急上昇しているだけに、イタリア、スペインなど欧州の複数クラブが獲得を目指しているが、あこがれのプレミア移籍が実現する可能性が高くなった。

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 日本が誇るエースキラー、長友にプレミア移籍の話が急浮上した。今季9位の強豪バーミンガムが、今夏の移籍市場での獲得に乗り出したことが判明。既に欧州の複数クラブからオファーを受けているが、世界最高峰のプレミアは長友にとってあこがれのリーグ。関係者によれば、既に非公式の打診が届き、近日中に正式オファーに発展する可能性があるという。
 長友に対する世界の評価は、今回のW杯で高騰した。一対一の強さと守備力、そして何より90分間衰えを知らない世界屈指のスプリント力。先月の韓国との親善試合ではMF朴智星を、W杯本大会でもカメルーンのFWエトオ、オランダのFWカイトと各国のエース級をことごとく封じ、スカウトをうならせた。長友本人も欧州移籍への思いと自信を一層強めているという。
 バーミンガムは1875年創設の古豪で、今季は13勝11分け14敗の9位。シーズン序盤こそ快進撃をみせたが、後半は選手層の薄さを露呈して息切れした。スコットランド人のアレックス・マクリーシュ監督のサッカーはDFラインをほぼ固定し、堅守速攻が身上。さらに上位進出を目指すために、運動量の豊富な左サイドバックが最大の補強ポイントだった。
 昨年9月には香港出身の実業家カーソン・ヨン氏がオーナーに就任し、資金力が拡大。アジア市場にも注目しており、今夏には中国遠征も決定している。関係者によれば、当初はボルフスブルクと来季以降の契約を延長した日本代表MF長谷部誠も獲得リストに挙がるなど、日本人選手の獲得にも積極的だった。長友はピッチ内外の“補強”に向けて、絶好のターゲットだった。
 欧州移籍を夢に掲げてきた長友は今年3月から家庭教師と個人契約し、週1回は英語の授業を受けるなど準備を着々と進めてきた。バーミンガム以外にも、来季からセリエAに昇格するイタリアのチェゼーナ、ボローニャ、さらにスペインのマジョルカ、ドイツのドルトムントが獲得に乗り出しており、争奪戦は激化する一方だ。FC東京では欧州から正式オファーが届いた場合は、長友の夢を尊重する方針。東京の長友から世界のナガトモへ。南アフリカを経由し、大きく羽ばたくことになる。

 ▽バーミンガム・シティーFC 1875年創設。02年にプレーオフの末、プレミアに昇格。05~06年シーズンから降格と昇格を繰り返すが、今季は9位と躍進。62~63年シーズンにリーグ杯優勝制覇。昨年から香港の実業家カーソン・ヨン氏がオーナーに就任し、資金力が大幅にアップ。今季はイングランド代表の第3GKハートらが所属。チームカラーは青。本拠地はバーミンガムのセントアンドリュース・スタジアム(収容3万人)。

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2010年6月25日のニュース