【ダービー卿CT】タイムトゥヘヴン大外強襲!重賞初V 桜花賞馬の母キストゥヘヴンほうふつさせる剛脚

[ 2022年4月3日 05:30 ]

レースを制したタイムトゥヘヴン(撮影・郡司 修)
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 「第54回ダービー卿CT」が2日、中山競馬場で行われ、11番人気タイムトゥヘヴン(牡4=戸田)が大外一気で重賞初制覇を果たした。戸田師が管理した母キストゥヘヴンの子も重賞初V。鞍上の大野拓弥(35)は19年アンタレスSをアナザートゥルースで制して以来3年ぶりの重賞制覇となった。

 満開の桜の下で、子もまた花開いた。今年初勝利となった戸田師は引き揚げてきたタイムトゥヘヴンの鼻面を「よしよし」となでる。続いて大野とガッチリ握手を交わす。師は「いい思いをさせてもらって感慨深いです」。管理した母キストゥヘヴンを思い出しながら笑顔を見せた。

 狙い通りの後方待機。五分のスタートを出ると、内枠から迷わず下げた。じっくり脚をためる。2番手につけたトーラスジェミニが4コーナー手前から、前をつかまえに行き一気にペースアップ。先に外に持ち出していたフォルコメンが脚を伸ばして先頭に立つ。決したか。いや、その外を上がり3F33秒7で急追。捉えた。3年ぶりの重賞Vとなった大野は「外が伸びると思っていたので、内から1回下げてと思っていた。久々に勝てて良かった」と破顔一笑。会心の差し切りだった。

 06年に桜花賞を制し、厩舎に初G1をもたらした母。その産駒も競走馬としてデビューした8頭全て戸田厩舎に所属する。師にとってかけがえのない愛馬。快勝にも母子を重ねる。「お母さんが京成杯AHを勝った時のようだった。普段は似ていないんだけど、時計、内容も同じだった」と指揮官。同じ舞台での激走にしみじみと喜びをかみしめた。

 重賞初制覇が2勝目。賞金を加算し夢は広がる。鞍上は「切れる脚を持っているので、それを生かしてレベルの高いところで頑張ってほしい」。指揮官は次走について「最強の1勝馬みたいな感じだったが、これで自信を持って重賞戦線へ行ける。馬の様子を見てからだが、胸を張ってG2、G1に臨みたい」と明確なレース名は挙げなかった。母は重賞4勝。子もここから快進撃を進む。

 ◆タイムトゥヘヴン 父ロードカナロア 母キストゥヘヴン(母の父アドマイヤベガ)牡4歳 18年2月3日生まれ 美浦・戸田厩舎所属 馬主・DMMドリームクラブ㈱ 生産者・北海道日高町のオリオンファーム 戦績14戦2勝 総獲得賞金1億116万9000円 馬名の由来は「天国への時間」(母名より連想)。

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2022年4月3日のニュース