R―1決勝進出アマ芸人「どくさいスイッチ企画」は大阪の会社員 同僚に内緒も「バレてるみたいです」

[ 2024年3月5日 18:16 ]

本紙インタビューでも今後もお笑いを続けていきたい夢を語っていた「どくさいスイッチ企画」
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 ピン芸人日本一を決める「R―1グランプリ2024」の決勝戦が今月9日に開催される。この舞台に上り詰めた9人の中で、ひときわ異彩を放っているのが「どくさいスイッチ企画」だ。22年の歴史を誇る大会で史上初めて決勝に進出したアマチュア芸人。大阪在住会社員、既婚者、風貌も芸人然としたところは一切なく、電車の中でつり革を持って立ってそうなたたずまい。なのに、そのネタは切れ味抜群だ。決勝で旋風は巻き起こるのか?注目のアマ芸人に意気込みを聞いた。

(取材・構成 江良 真)

【どくさいスイッチ企画インタビュー(1)】

 ―決勝進出の発表で、正直私もその時に初めてお名前を知りました。しかもアマチュアの方ということで二度ビックリでした。ご自身は名前を呼ばれた時はどういう心境だったのでしょうか?

 「9人中9番目に呼ばれたのですが、通るとはまさか思っていないので、最後の1人は誰なんだろう?と自分で予想していたくらいでした(笑い)。そしたら、まさかの自分の名前で。ちょっと受け止めきれなくて」

 ―目を見開いて、口に手をやって、すごい反応でしたね(笑い)。

 「知り合いから、ミスコンか!って突っ込まれました(笑い)」

 ―その後に記者会見がありました。

 「会見の前に、決勝進出者のみなさんが一言ずつしゃべって、ギャグをやるみたいな流れになったんですが、プロの方がギャグを言って変な空気になっているのに、私はいったいどうすればいいんだ?って思いましたね」

 ―そうでしたね。報道陣の会見前にギャグとかしちゃうと、だいたいスベりがちなのですが、まさかの展開でした(笑い)。

 「とにかく誠心誠意、会社員のようなあいさつをさせていただきました」

 ―実際、会社員でいらっしゃるんですよね。お仕事は何をされていらっしゃるんですか?

 「それは言えないんです。会社側からも会社にまつわる情報は一切出すなと言われています。私も、こんなことをやっている、ということは会社の人に話したことはないです」

 ―ただ、決勝まで来ちゃうと、同僚の方々がテレビを見て「あれ?」みたいなことに確実になりますよね?

 「さすがにバレてはいるみたいです(笑い)。でも、そこは自分からは話さないようにはしています」

 ―同僚の方々が応援されるということはないのでしょうか?

 「会社を挙げて応援ということは絶対にないですが(笑い)、親しい人は知っているんで、個人的に応援してくださるということはあるかもしれないですね」

 ―過去に会社の親しい方がライブなどを見に来られたことはあったんですか?

 「一度、単独ライブに会社の人が何も言わずに来たことがあって、会場でその顔を見たときはネタどころではなかったですね(笑い)。どこで情報が漏れたのか!?となって、本当に慌てふためきました」

 ―関西のアマチュア芸人の中では相当に知られた存在だとうかがっています。何度も大会で賞も獲られていますし、単独ライブもやられていらっしゃいます。そういう活動をされてきた中で、プロというものは頭をよぎることはなかったのでしょうか?

 「節目節目で考えたりはしました。大学卒業するタイミングだったりとか、転職するタイミングだったりとか。NSC(吉本タレント養成学校)に行くことも考えたんですが、総合力というか、簡単にいうと覚悟がなかったんですね」

 ―確かに、大変な決断です。

 「芸人さんは人前に出てネタをやるだけではなくて、例えばおしゃべりの部分とか、他の人に対してお話をする部分の能力もとても重要だと思うんです。でも、私にはそこが足りないと思っていて。それで芸人になるという思いはあきらめたという感じです」

 ―R―1決勝進出、さらに優勝とかになるとまた大きな岐路になるかもしれないですね。

 「うーん、今のところはそういうことはまったく考えていなくて、とにかく決勝のために用意しているネタを一生懸命やるということだけですね。ただ、そういうことを考えてみたとしても、36歳なのでちょっと年を食いすぎています(笑い)。高卒でNSCに入っている人と一緒にやるとなると、その人たちは私の半分の年齢なので、それはさすがに違うんじゃないかというのが正直な思いです」

 ―そういう意味ではお笑いをやっているからこそ仕事も頑張れるというところはあるんでしょうか?

 「それはかなりあります。私の趣味はお笑いぐらいしかないので。見るのも好きだし、やるのも好きだし、それを軸にして毎日頑張れているかな、というのはあります」

 ―ご結婚もされていらっしゃいます。ご夫人は応援されていらっしゃるのでしょうか?

 「いまは妻と2人暮らしで、妻からはかなり応援してもらってます。反対されていないということだけでも大変助かっています。普通、ダンナがR―1グランプリに出るといったら止めると思うんですけどね(笑い)。頑張ってねと言ってくれるんでありがたいです」=(2)に続く=

 ◇どくさいスイッチ企画(どくさいすいっちきかく)1987年(昭62)9月8日生まれ、神奈川県出身の36歳。小学校5年の時に兵庫県へ。大学で落語研究会に入り、本格的にお笑い活動を行う。R―1では22、23年に出場しいずれも準々決勝で敗退。昨年全日本アマチュア芸人No.1決定戦で優勝。ネタは標準語。関西弁も話せるが、最初に覚えたのが標準語で「関西の方はイントネーションに厳しいので」と若干のコンプレックスも。

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