市川中車 澤瀉屋「60年に1度の事変に立ち向かう」 父・猿翁さんら「送る会」猿之助は姿見せず

[ 2024年1月29日 05:30 ]

市川段四郎さん(後方左)、市川猿翁さん(同右)の遺影の前で報道陣の質問に答える市川團子(左)と市川中車(撮影・沢田 明徳)
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 昨年死去した歌舞伎俳優の市川猿翁さん(享年83)と市川段四郎さん(享年76)兄弟を「送る会」が28日、都内のホテルで行われた。歌舞伎俳優や関係者ら約700人が出席。閉会後には澤瀉屋(おもだかや)一門を代表し、猿翁さんの長男、市川中車(香川照之、58)と孫の市川團子(20)が取材に応じた。

 中車が報道陣の質疑に答えるのは約2年半ぶり。緊張した面持ちで父と叔父の遺影を背に「わたくしどものことで多大なるご迷惑をおかけいたしました。改めて深くおわび申し上げます」と神妙に頭を下げた。

 昨年5月、澤瀉屋の看板役者だった市川猿之助(48)が一家心中を図り、段四郎さんが死去。その4カ月後の9月、猿翁さんが不整脈のため亡くなった。澤瀉屋では1963年にも初代猿翁と三代目段四郎が相次いで死去した過去があり、中車は「60年に1度の事変に、再び澤瀉屋で立ち向かっていく決意」と話した。

 2人との思い出を振り返る際には涙ぐむ場面もあった。歌舞伎界に入るまでは父の猿翁さんと長く疎遠で、意を決して会いに行くと「あなたは私の息子じゃない」と拒絶された。当時を回想し「それでも僕には“あなたのことを愛してる”としか聞こえなかった。父は北風のようで、その時にほほ笑んでくれた叔父(段四郎さん)は太陽のようだった」と、ドラマのワンシーンを演じるかのような口ぶりで語った。

 段四郎さんの自殺ほう助の罪に問われ、有罪判決が確定し執行猶予中の猿之助は、会場に姿を見せなかった。会の案内は出したが、中車は「(本人に)ご遠慮したいという思いがありました」と不在の理由を語った。

 一門は2月に東京・新橋演舞場でスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」を上演予定。同作に主演してきた猿之助は、今回主演の團子を指導しているという。中車は「その役を演じた人が次に演じる役者に口伝するのが歌舞伎界の常。それにのっとっています」と説明。團子は「祖父がヤマトタケルを演じた時の話を、叔父から聞いています」と話した。


 ≪祭壇彩った2500本≫ 祭壇は約2500本のトルコキキョウ、胡蝶蘭(こちょうらん)などで彩られ、2人が持つ勲章が並んだ。会場には2人の舞台衣装や写真パネルが並べられていた。供花は全部で372本で、尾上菊五郎(81)ら幹部俳優や、猿翁さんの元妻・浜木綿子(88)の名前もあった。参列者は祭壇に献花。関係者によると、中村獅童(51)、中村勘九郎(42)、中村隼人(30)らの姿があったという。

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