市川猿之助容疑者 母の自殺ほう助容疑、処分保留 嘱託殺人容疑への布石か

[ 2023年7月19日 04:35 ]

市川猿之助容疑者
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 東京・目黒の自宅で父親の自殺を手助けしたとして、警視庁捜査1課は18日、自殺ほう助の疑いで歌舞伎俳優市川猿之助(本名喜熨斗孝彦)容疑者(47)を再逮捕した。捜査1課によると「間違いありません」と容疑を認めている。

 事件の現場となった一家の自宅前はこの日、規制線が張られていた。猿之助容疑者、両親の一家心中が明らかになってからちょうど2カ月。密室で容疑者だけが生き残り、証拠にも乏しい事件の捜査が長期化していることをうかがわせた。

 再逮捕容疑は、5月17日午後~18日午前、自宅で睡眠薬を服用させ、父親で歌舞伎俳優の市川段四郎(本名喜熨斗弘之)さん(76)の自殺を手助けし、18日に死亡させた疑い。

 捜査の焦点は、段四郎さんに自殺の意思があったかどうか。介護が必要な状態だったとの情報もあったが、実際には要介護認定を受けておらず、捜査1課は日常生活に支障はなく意思疎通が可能だったと判断。「認知能力に問題はなかった」(捜査関係者)として自殺ほう助での立件となった。

 くしくもこの日、東京地検は母・喜熨斗延子さん(75)への自殺ほう助疑いについて処分保留とした。通常なら釈放や不起訴とセットのイメージが強い判断が、なぜこのタイミングで下されたのか。元大阪地検検事の亀井正貴弁護士は「捜査が全容解明できていない部分があり、捜査が動く可能性がある」と指摘。「より重い嘱託殺人などでの起訴も模索しているのではないか」と検察の狙いを分析した。

 捜査関係者は「あえて起訴しないのはよく使う手段」と説明。延子さんへの容疑について自殺ほう助罪で先に起訴し、同じ状況で亡くなった段四郎さんを今後、別の罪で起訴してしまうと「整合性が取れない」懸念もあるという。

 今後について2通りの見方を示したのは嵩原安三郎弁護士。一つは「(母親の件を)処分保留として捜査を続けて、父親の件と合わせて起訴する」というもの。もう一つは「不起訴」で「処分保留は勾留期限中に起訴できる証拠がそろわなかったということ。父親の件も同じ処分保留となる可能性も残る」とした。

 両親の件が“ダブル処分保留”なら猿之助容疑者は釈放される可能性もある。逮捕から起訴までの期間は最大23日間。期限までに起訴できる証拠がそろわなかった場合、早ければ8月上旬にも釈放されることになる。


 ≪“1人”なら執行猶予か≫ 自殺ほう助で起訴となった場合、両親2人について起訴か、1人だけについて起訴かで量刑は大きく変わってくる。亀井弁護士は「過去の判例では1人に対しての自殺ほう助は懲役4年、執行猶予2年の判決。また、1人に対して自殺ほう助でもう1人に対しては承諾殺人に問われた例では3年から4年の実刑」と説明。母親の件が処分保留から不起訴になった場合、父親の件で起訴されても執行猶予が付く可能性が高くなる。2人の自殺ほう助で起訴された場合は「ビニール袋をかぶせたことなどが悪質と捉えられると実刑も考えられる」という。

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