藤井棋聖が4連覇 タイトル戦16連勝で8冠また前進 大胆不敵“飛車放置”で流れ引き寄せた

[ 2023年7月19日 04:40 ]

第94期棋聖戦5番勝負第4局で、佐々木大地七段を破り4連覇を果たした藤井聡太棋聖
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 将棋の第94期棋聖戦5番勝負は18日、新潟市岩室温泉の「高志の宿 高島屋」で第4局を行い、19日に21回目の誕生日を迎える後手の藤井聡太棋聖=王将、竜王、名人、王位、叡王、棋王含む7冠=が挑戦者・佐々木大地七段(28)を84手で下した。シリーズ成績を3勝1敗とし棋聖戦4連覇を達成。タイトル通算獲得期数を無傷の16に伸ばし、全8冠獲得への階段をまた一歩上った。

 またもや大胆不敵な絶妙手が出た。藤井の74手目。互いの飛車に当たりがつき、先に飛車を取られた場面で、なんと佐々木の大駒を捕獲せずと金をつくる。終盤で大駒を結果的に手放す驚きの進行。その意図は「ずっと苦しいかなと思っていた。本譜は手を渡して勝負しようかなと」だった。

 ノータイムで指した異次元の一手。実際のところAI評価値を大きく下げたのだが、そこは生身の人間同士だ。得意の相掛かりに持ち込んで優位に立ちかけた佐々木の頭脳をかすかに混乱させる。自王の詰めろを軽く解除し、端角で王手をかけての鮮やかなフィニッシュに導いた。「序盤から少しこちらが苦しい態勢を強いられてしまった。そのあたり、課題が残った感じでした」。終局後の冷静な自己分析は決着局でも変わらない。

 タイトル戦は、初出場の3年前からシリーズ16連勝。フルセットまで進んだのが1回だけという、圧倒的な強さは健在だ。「防衛できたのはうれしく思います」と実直に話す藤井はそれでも「防衛戦は年々内容的に厳しくなっている。永世資格が懸かる来期はより実力を高めたい」と危機感も漂わせた。

 とにもかくにも7冠は堅持した。今後は2勝0敗とリードを奪っている佐々木との王位戦で防衛を期す。その上で現在挑戦者決定戦まで進出している王座戦を制しなければ、史上空前の全8冠奪取には到達しない。「期待されていることはうれしいですが、自分は意識していません。ただ王座戦はこれまで挑戦機会をつくれなかったので、そこは目指したいです」とにこやかな表情で意欲を示した。

 豊島将之九段(33)との挑戦者決定戦は来月4日。王位戦を防衛しても、ここで負けたら今年度中の快挙は雲散霧消だ。息苦しくも熱い戦いに終局はない。

 ≪おやつで誕生日前祝い?≫19日が誕生日の藤井は、午前のおやつで「フレーシュ ピーチベリー」のケーキを注文した。生クリームでコーティングされ、自家製の桃のコンポートも添えられた一品。SNSで「誕生日ケーキみたい」「バースデー“イブ”ケーキ?」と話題になった。

 ≪佐々木は先手の利生かせず≫タイトル戦初登場の佐々木にとっては無念の敗退だ。順位戦では最下級のC級2組に所属しながら、棋聖戦の予選では勢いに乗り、挑戦権を獲得。第2局では追い込まれながらも逆転の角打ちで初勝利を挙げ、存在感を示した。この日も先手番で2勝目を狙ったが「少し先手の利を生かせるような順もあったかも。中序盤で大きく間違えたような気がします」とうなだれた。並行開催の王位戦も0勝2敗と苦しい星。「この経験を生かせるように」と前を見据えた。

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