王将戦黒星スタートの羽生九段「ちょっと何が悪かったか調べてみないとわからない」 

[ 2023年1月9日 18:34 ]

<第72期王将戦 第1局第2日目>熟考する羽生九段
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 将棋の第72期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社ほか主催)第1局は8、9の両日、静岡県掛川市の「掛川城二の丸茶室」で指され、藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=が羽生善治九段(52)に91手で勝利した。史上最年少5冠の若武者と永世7冠の資格を持つレジェンドによる世紀の対決で、羽生九段は黒星スタートとなった。

 この大一番で後手の羽生が選択したのは、現代将棋において主流とは言いがたい「一手損角換わり」。複雑な変化が多く、一手の過ちで形勢が左右されるだけに、両者ともにジリジリとしたにらみ合いが続いていた。「予定の作戦」と言い切った羽生に対し、「想定していなかった」と揺さぶられた様子の藤井だが、2日目の午後になり、徐々に羽生九段の形成は悪くなっていった。

 羽生九段は対局後に何度も首を振りながら「ちょっと何が悪かったか調べてみないとわからないです。細かい変化のところを掘り下げて考える必要はあるかなと感じました」と語った。思い切った変化にも動じることなく対応してきた藤井王将については「一手一手深い読みを裏付けて指されているんだなと対局して感じた」とその強さを感じた様子だった。

 次戦の第2局は、1月21、22日の両日、大阪府高槻市の「山水館」で行われる。羽生九段は「8時間も長いようで短い。時間の使い方も課題になるかなと感じた。気持ちを切り替えて次の対局に集中していけたら」と前を向いた。

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