役所広司からワインの受賞祝い 西川美和監督「言ってもいいよね?」/毎日映画コンクール

[ 2022年2月15日 18:37 ]

<第76回毎日映画コンクール表彰式>男優助演賞を受賞した仲野太賀の代理でトロフィーを受け取り笑顔を見せる西川美和監督(撮影・会津 智海)
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 第76回毎日映画コンクールの表彰式が15日、東京・目黒区のめぐろパーシモンホールで開催され、「すばらしき世界」で日本映画優秀賞を受賞した西川美和監督(47)が、主演の役所広司(66)へ感謝を口にした。

 優しい一面を持ちながらも、過去の殺人で長年、服役した男・三上(役所)が再起にもがく姿や、彼を執拗に追うテレビマン津乃田(仲野太賀)など、人と社会の歪みを映像化した。

 西川監督が受賞を最初に伝えたのが、役所だったという。「作品賞を獲れることは素晴らしいし、今回は撮影賞と音楽賞と、スタッフ賞をいただけたことを役所さんがとても喜んでおられて」。さらに、「実は今日、こっそり私たちにワインを届けに来て下さいました。こちらの会場までこっそり」と、役所がお忍びでプレゼントも持参してくれたことも告白。スタッフに「言ってもいいよね?」と確認していた。

 作家・佐木隆三氏の「身分帳」が原作だが、クランクイン当初は、まだタイトルが決まっていなかった。西川監督は「どういうタイトルで発表しようか、あいまいなままクランクインした」と打ち明けた。決まった「すばらしき世界」については、「ちょっと風呂敷を広げすぎだったようにも思いますし、悩んでたりした」と、当初の偽らざる本音を漏らした。

 それでも、撮影を重ねて、タイトルにふさわしい作品になる自信が芽生えていったとkj。「毎日撮影を重ねて、役所広司さんの芝居を撮っていただいて、スタッフが取り囲んで見ているうちに、このタイトルがちゃんとピッタリくる作品に育っていってるなと手応えがありました」と明かした。

 名優を主演に迎え、「圧倒されるんですよね」と、その存在感にあらためて驚きを口にした。「3、4年シナリオ書いてきたけど、カメラの前にいるのは三上。実在するように思えてしまって」。その上で、あえて撮り直しをお願いしたこともあったという。「せっかくのチャンスなんだからと、無駄にしないように1カット1カット撮っていった」と、貴重な撮影の日々を振り返っていた。

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2022年2月15日のニュース