「熱海殺人事件」 紀伊国屋ホール改装前ラスト公演に決定 味方良介&荒井敦史Wキャスト主演

[ 2020年11月20日 05:30 ]

東京・紀伊國屋ホールの改修前最後の公演「熱海殺人事件」でダブルキャストで主演を務める味方良介(左)と荒井敦史
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 東京・新宿の演劇の聖地として知られ来年2月から改装工事に入る紀伊国屋ホールの改装前ラスト公演に、不世出の劇作家・故つかこうへいさんの伝説的舞台「熱海殺人事件」を上演することになった。

 つかさんをはじめ野田秀樹氏(64)、鴻上尚史氏(62)、三谷幸喜氏(59)らを送り出してきた東京の小劇場文化を象徴する劇場。俳優の味方良介(28)と荒井敦史(27)がダブルキャストで主演を務め、来年1月14~31日にかけて紀伊国屋ホールの57年の歴史を彩る。

 1973年の発表以降、推定8500回上演されている作品。同劇場との縁は深く、76年に三浦洋一さん主演で上演されてからは公演の本拠地に。解釈を変えながらこれまで500回以上再演されてきた。

 主役の木村伝兵衛部長刑事が、自らのプライドを満たすため、地味な殺人事件とその犯人をドラマチックに仕立て上げるさまを描く。登場人物の個性を際立たせながらも、背景にある人間の醜さなどを絶妙に表現し、つかさんの名を全国に知らしめた。

 平田満(67)、加藤健一(71)、風間杜夫(71)ら同作の出演をきっかけにブレークした俳優も多い。阿部寛(56)もその一人。モデルから俳優に転身したばかりの頃はくすぶっていたが、93年に主役に抜てき。バイセクシュアルの刑事という難役を演じきり、現在の地位を築くに至った。近年では、13年に主演を務めた馬場徹(32)が、これを機にTBSの日曜劇場などで活躍。17年から3年間主演を務めた味方も今年1月放送のフジテレビ「教場」に出演するなど、順調にスター街道を駆け上がっている。

 今回も主演を務める味方は「改修工事前、最後の作品の主演という大役に身震いしています。歴史と記憶に残る作品にします」と意気込み。荒井も「歴史ある劇場の一つの区切り、そして熱海という作品に恥じないよう精いっぱい演じます」と気を引き締めている。

 今作では新型コロナの感染防止対策のため、全ての登場人物をダブルキャストでおくる。つかさんの長女で女優の愛原実花(34)も名を連ねるなど演劇ファンの話題を集めそうだ。

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2020年11月20日のニュース