マイ“難”バーとならないために…制度のさらなる広報が必要

[ 2015年10月30日 09:00 ]

 番号通知カードの配達がいよいよ始まり、マイナンバーが生活の中に入ってきた。制度は脱税防止や行政手続きの簡素化などのメリットがあるとされる一方、個人情報の流出や詐欺事件が懸念されている。

 そんな折、いきなり自治体は住民票に番号を誤記載するミスを連発。東京都目黒区は誤ってマイナンバーを記載した住民票を区民の女性に渡していたと発表した。原因は職員が端末の操作を誤ったことだという。

 総務省によると、マイナンバーは請求された場合だけ、住民票に番号を記載される。しかし、目黒区だけでなく、茨城県取手市や札幌市厚別区、石川県白山市など全国でミスが相次いだ。自治体側は、対象者の番号の変更手続きをするとしているが、生涯変わらないとされていたはずの番号は早くも変更される事態になっている。

 また、制度に便乗して、個人情報を聞きだそうとするなど詐欺と疑われるケースも出てきている。消費者庁によると、マイナンバーに関する不審な電話やメールに関する相談は今年4月以降に全国で100件近く寄せられており、そのうちの半数近くが10月に集中している。同庁は「市役所などが電話で個人情報を聞き出したり、現金を要求したりすることはない。そうした場合には、すぐに警察などに相談してほしい」と注意喚起している。警視庁のある捜査員は「今後、詐欺に使われることが確実に増えてくる。メリットがあると言われているマイナンバーだが、犯罪に使われるデメリットも大きい」と指摘。先日、不祥事のあった厚生労働省や自治体職員側だけでなく、市民も細心の注意が必要だ。

 千葉県内の市役所の納税担当者はメリットを強調する。現在は税務署の職員数の制約から、勤務先の給与以外の副収入を得ながら申告していない人を特定するのは難しい状況。だが、制度導入後は、法人側が税務署に提出する支払調書に報酬を支払った人のマイナンバーも記載されるため、副収入を得た人の本人確認を効率よくできるようになるといい、「これまで把握できなかった収入が分かるので税収は上がるはず。その分、市民によりよいサービスを提供できるのでは」と話す。

 ただ、そうなると、副収入を得ていた人は確定申告を迫られる上、勤務先や家族にその副業がばれる可能性がある。昼はOLをしながら、夜はホステスのアルバイトをしている20代の女性は「このまま夜の仕事も続けたいけど、バレて会社をクビになりたくないし…。まだ仕組みがよく分からない」と話す。

 新たな制度導入時に混乱はつきものともいえなくはないが、本当に人々の生活は向上するのか。マイ“難”バーとならないためにも、さらなる広報が必要といえそうだ。(記者コラム)

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