元自衛隊員、病と無縁だった今井さん 当初は「腸の風邪」と診断…

[ 2015年5月29日 09:50 ]

4月30日、やせ細った体で会見した今井さん。梅沢には事前に末期がんであることを伝えていた
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 4月に末期がんを公表し、闘病していた俳優の今井雅之さんが28日午前3時5分、大腸がんのため54歳の若さで死去。「病には勝てませんでした」と明かした主演舞台「THE WINDS OF GOD」の降板会見から28日。「せめて秋まで生きさせて」と話していたが、願いはかなわなかった。

 元自衛隊員で体には自信があり、「病院にかかったのは骨折した時ぐらい」だったという今井さん。昨年夏頃、体調を崩して訪れた都内の病院では「腸の風邪のようなもの」と診断された。その後も違和感が残り、兵庫県内の病院で精密検査を受けた際、医師から「大腸に大きな腫瘍が複数あった。ステージ4の末期がん」と宣告された。昨年11月の開腹手術で大腸の一部を摘出。その後、転移したとみられる箇所が複数見つかり、抗がん剤治療を始めたものの、今年1月には副作用が強く中断。免疫療法や食事療法に切り替えた。

 2月の舞台製作発表では「体重が20キロ減った」と明かしたが、がんは公表せず。その後も回復は見られず、別の病院に移って抗がん剤投与を再開すると、副作用で食事をしても嘔吐(おうと)した。舞台降板を発表した4月30日に会見では別人のように痩せ細っていた。

 ◇大腸がん 多くは腺腫と呼ばれる良性の腫瘍が悪性化して発生する。日本では食生活の欧米化で増加傾向。発生頻度は高齢ほど高く、男性に多いとされる。症状は血便、便通異常(便秘や下痢)、腹痛、腹部膨満、貧血など。早期に発見できれば内視鏡手術や外科療法により完全に治すことができ、進行していた場合でも手術可能な時期であれば、他の臓器へ転移しても外科療法で治すことが可能とされる。

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