007の秘密兵器を開発 CIA元長官と作者が交流

[ 2013年7月20日 10:26 ]

 冷戦期に米中央情報局(CIA)のアレン・ダレス長官(当時)が、英スパイ小説「007」シリーズの原作者、イアン・フレミング氏から助言を受け、CIAは実際に007の秘密兵器を開発していた―。英国の研究者が20日までに、機密指定を解かれた文書などからこんな研究結果をまとめた。

 両氏は互いに尊敬し合う友人で、CIAは作中で好意的に描いてもらうことでイメージ戦略に役立てていたという。

 英ウォリック大のクリストファー・モラン助教が、1950~60年代に両氏が交わした手紙やメディア報道などを調査。両氏が59年にロンドンで会った際、フレミング氏が「CIAは(工作員の)特殊装置については、まだまだだ」と指摘。ダレス氏はこれを受け、作中で主人公のジェームズ・ボンドらが使う装置の開発をCIAの技術者に指示した。

 CIAは、「ロシアから愛をこめて」(57年)に登場する毒塗りナイフ仕込みの靴や、「ゴールドフィンガー」(59年)に出てくる自動車追跡装置を実際に開発した。ただ追跡装置は欠陥が多く、敵が混雑した街中に入ると動かなくなってしまったという。

 ダレス氏はシリーズの大ファンで、フレミング氏に「007を退職させないでほしい」と頼んでいた。モラン助教は「CIAについて言及するのがタブー視されていた時代に、2人がこれほど率直に話をしていたとは驚きだ」としている。(共同)

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2013年7月20日のニュース