ハマちゃんからスーさんへ 西田敏行「役者道 実に見事な生涯」

[ 2013年7月20日 08:11 ]

三国連太郎さんの祭壇に向かい、別れの言葉を述べる西田敏行

三国連太郎さんお別れの会

 三国さんの主演映画「飢餓海峡」が俳優の道を目指すきっかけになった西田敏行(65)。その思い出の作品をモチーフにした祭壇と、“俳優の師”の遺影を前に「今、あなたの遺影を前にして、お別れを申し上げるこの現実が信じられません。映画のワンシーンであってくれと思っています」と声を震わせながら語りかけた。

 「釣りバカ日誌」シリーズで「ハマちゃん」役として、「スーさん」役の三国さんとコンビを組んだ。88年のスタートから09年のファイナルまで22作品で共演。デビュー作「善魔」(木下恵介監督)の役名だった三国連太郎を芸名にして、徹底した役作りと鬼気迫る演技で「怪優」とも呼ばれた生き方を間近で見てきた。

 その俳優としての在り方を「(本名の)佐藤政雄は髪の先から爪の先まで三国連太郎で覆われ、視界から消えました。佐藤政雄が姿を見せたことはなかった」と表現。60年以上にわたった役者人生を振り返り「183本の映画を三国連太郎として演じ切った。あなたが歩いた役者道は、誰一人まねすることのできない一本道。実に見事な生涯でした」と称えた。

 そして「同時代を生きた後輩として誇りに思います。私も誇りを胸に役者道を命尽きるまで歩む決心をしました」と遺志を受け継ぐ決意を強調。「本当にありがとうございました!」と感謝の思いを述べて、別れの言葉を締めくくった。

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2013年7月20日のニュース