佐々岡真司氏 調子は今ひとつでも、粘り切った森下 カーブを織り交ぜた会沢のリードが絶妙

[ 2023年7月23日 07:00 ]

セ・リーグ   広島5―3中日 ( 2023年7月22日    マツダ )

佐々岡真司氏
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 【佐々岡真司氏 視点】森下の調子はそんなに良くないように見えた。直球は150キロに届かず145キロ前後。ただ、カーブを織り交ぜた会沢のリードが絶妙だった。その緩い変化球も、ストライクが入ったのは恐らく1球だけ。通常なら制球が定まらない球は使いたくないものだが、真っすぐの球速を見てボール球でもいいから使ったと察する。スピード差を印象づけるための緩急。そうした配球の工夫は見事だった。

 無論、味方が勝ち越すまで粘り切った森下も特筆に値する。悪いなりの投球ができていた。7回を投げ終えて球数82球。芸は身を助けるとはよく言ったもので、その裏の先頭打者で勝野のフォークを捉え、自ら勝ち越し劇をお膳立てしたのもさすがだ。守備でもイレギュラーしそうな打球を捕り、バント処理もソツなくこなす。投打守…三拍子そろう選手だから、競り合いの展開で強みを発揮する。

 後半戦開幕で8回まで投げ、昨季苦しめられた高橋宏相手に勝ち切ったのは大きい。23日の先発・大瀬良も負けられない気持ちだろう。明日以降につながる1勝だった。(本紙評論家)

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