マック鈴木氏がメキシコ分析 真剣モードで一体感 ギル監督とは元同僚

[ 2023年3月19日 04:30 ]

メキシカンリーグ・チワワ時代に抑え投手のデラロサ(右)とツーショットに納まるマック鈴木氏
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 侍ジャパンの準決勝の相手がメキシコに決まった。ロイヤルズなど大リーグに加えてメキシコでもプレー経験のあるマック鈴木氏(47)は、メキシコ代表を率いるベンジー・ギル監督(50)とはかつて同じチームに所属するなど旧知の仲。指揮官の人柄や采配、さらに代表チームの戦力などを分析した。

 ギル監督とは大リーグ時代に何度も対戦し、メキシコの球団チワワなどで一緒にプレーもしました。僕が投手で監督が遊撃手。熱い人で、一球に対する執念のある選手でした。ゴルフはシングル。そしてとにかくお酒が強くて、野球の話をしだしたら止まらない人です。試合後にシャワーも浴びずユニホーム姿のまま、お酒を飲みながらクラブハウスで翌日の午前3~4時までずっと野球の話をしていたこともあります。

 野球の知識が非常に豊富なギル監督ですが、采配はトリッキーなことはしてきません。自身の現役時代同様に足を絡めたりバント、エンドランを使ったり…。エンゼルスのコーチとあって大谷選手の弱点、攻め方など熟知しているでしょう。同じくエ軍の同僚サンドバルともども、大谷選手と素直に勝負するのか、あるいは…。勝敗の行方を左右する焦点の一つです。

 打線は21年新人王で1番を打つアロザレーナが中心。甘い球は見逃さず、追い込まれても簡単にアウトにならない。足も、長打力もある。元オリックスの3番メネセス、4番テレスも一発を秘めた好打者です。先発サンドバルに続く中継ぎ陣も駒がそろっており、守備面も安定しています。お祭り騒ぎになるのが中南米気質ですが今回のチームは真剣モード。国の名誉を背負い心を一つにしている雰囲気を強く感じます。

 侍ジャパンの投手力は出場国の中でもトップレベル。メキシコの打者はアグレッシブに早いカウントからどんどん振ってくるので、ストライクからボールになる球をうまく使うのが鍵です。もちろん失投は命取り。打線では吉田選手をキーマンに挙げたいですね。大リーグ特有の手元で動くボール。実際に肌で知っているのは大谷、ヌートバー選手だけですが、今季から大リーグ移籍の吉田選手は非常に適応能力が高い。三振はせず、大振りもしない上に状況に応じた打撃ができる。彼が突破口になるのでは、と思います。

 ◇マック 鈴木(本名・鈴木誠=すずき・まこと)1975年(昭50)5月31日生まれ、兵庫県出身の47歳。94年にマリナーズとマイナー契約を結び96年にメジャーデビュー。ロイヤルズ時代の00年には8勝を挙げた。メジャー通算成績は117試合で16勝31敗、防御率5.72。オリックスやメキシコ、ドミニカ共和国、プエルトリコ、台湾など世界各国のリーグでプレー。夫人はお笑いコンビ・クワバタオハラの小原正子。

 ▽06年WBCでの日本―メキシコ戦 2次ラウンドの3月14日に対戦。日本は4回に小笠原道大(日)の右前適時打などで4点を先制。以降も加点し、投げては先発の松坂大輔(西)を皮切りに4投手の継投で6―1で快勝した。12日の初戦で米国に誤審騒動の末に敗れたのが響き、厳しい状況に追い込まれていたが、16日にメキシコが米国に勝ったことで日本との3チームが1勝2敗に。当該対戦の失点率差により日本が韓国に次ぐ2位で突破し、初優勝へとつながった。

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2023年3月19日のニュース