福島敦彦氏 緊張感ある初戦、好判断だった高知・浜口監督の初回ピンチで「タイム」

[ 2023年3月19日 05:30 ]

第95回選抜高校野球大会第1日・1回戦   高知4―1北陸 ( 2023年3月18日    甲子園 )

福島敦彦氏

 【福島敦彦の迫球甲子園】選抜は夏の大会と違い、いきなり公式戦となる。練習試合とは緊張感も違う中での初戦。高知としては初回のピンチを最少失点で切り抜けたことが勝利につながった。先発した2年生の辻井君は変化球の制球に苦しみ死球と四球で1死一、二塁を招いた。甲子園は独特の雰囲気があるだけに流れを失うと取り戻すことが難しい。4番の友広君と対峙(たいじ)する前に浜口監督がタイムを取り、ひと呼吸置いたのは好判断だったと思う。

 攻守における「堅実さ」もすばらしかった。走者が出れば確実に得点圏に進め相手に重圧を与える。3度の3者凡退以外は全て二進。6回の4番・山平君の犠打、8回、一塁走者だった高塚君のワンバウンド送球における好走塁(記録は暴投)などチームとして高い意識を持っている。守備では高木捕手の2、3回の二盗阻止も大きかったが、ポジショニングも含めた野手陣の無失策が光った。

 北陸の大型右腕、友広君もよく投げた。夏に向け、真っすぐのスピードが上がれば楽しみが増える存在だ。(報徳学園、慶大、中山製鋼元監督)

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