阪神・森下あるぞ3冠王! OP戦新人初&球団初の快挙射程も…成績より“中身”に貪欲「まだ上げられる」

[ 2023年3月19日 05:15 ]

室内練習場へと向かう森下(撮影・大森 寛明)
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 阪神・ドラフト1位・森下翔太外野手(22=中大)が「オープン戦3冠王」を射程圏内に捉えた。18日のヤクルト戦は雨天中止になり、神宮球場の室内練習場でフリー打撃など約2時間汗を流した。ここまで打率・345、2本塁打、6打点と好調を維持。オープン戦も残り6試合だ。開幕ダッシュに弾みをつけたい黄金ルーキーが新人史上初、そして球団史上初の偉業に挑む。

 貪欲に「開幕右翼」へとひた走る森下に、大きな勲章を手にするチャンスが訪れた。ここまでオープン戦は11試合に出場して29打数10安打で打率・345、2本塁打、6打点。18日時点で打率は2位、本塁打は1位と2本差の5位、打点は9位ながら1位と5打点差につけ12球団の猛者の中でも存在感が際立つ活躍ぶりだ。

 「(成績は)あまり気にしてない。そこに目がいってしまうと、欲が出る。そこはもう大学時代に経験している。特に成績は頭に入れずにやっている」

 新人史上初、そして球団史上初の「オープン戦3冠王」が視界に入りながらも冷静だった。中大時代の経験すら糧にする。65年以降の長い歴史の中で、わずか3人しか成し遂げていない“トリプルクラウン”。直近ですら04年の岩村明憲(ヤクルト)までさかのぼる大記録だ。しかし黄金ルーキーは無欲を貫く。見つめるのは自身の状態のみ。これだけの数字を残しながら「(打撃が)まだ上がっていきそうな感じはある。上げられるところは全然ある。もっともっと突き詰めてやりたい」と鼻息は荒い。

 オープン戦も残り6試合。各球団ともシーズンを見据えた配球で臨んでくるだろう。「対策されるのは分かっている」と言い切り「それを先読みして、どうやって対策するかというところが大切になる。やみくもに打つだけでは成績は残らない」。オープン戦の数字がフロックではないことを自ら証明すべく、残り10日余りで開幕へ向けた試運転を終わらせる覚悟だ。

 前日17日のヤクルト戦では2安打を記録。チーム最多4度目のマルチ安打を誇る。得点圏打率・429は1位と4冠の可能性もある。3・31へ向けて加速する森下は雨天中止にも前向きだ。「ウエートトレがあまりできていなかったので、きょうできる。良かった」。未完の大器が打撃の勲章を手に、開幕ダッシュへ弾みをつける。(八木 勇磨)

 ≪過去3人だけ≫○…オープン戦で打率、本塁打、打点トップの3冠王は、記録が残る65年以降では83年トレーシー(大洋)、93年メディーナ(広)、04年岩村明憲(ヤ)の3人だけ。ドラフト制以降(66年~)の新人選手が達成すれば史上初の快挙になる。

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2023年3月19日のニュース