今年も出るか高津マジック 昨年は坂口をスタメン起用

[ 2022年10月19日 08:00 ]

ヤクルト・高津監督
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 22日に開幕する今年と同じ、ヤクルトとオリックスが頂点を争った昨年の日本シリーズ第2戦。試合前のヤクルトのスタメン発表に京セラドームは揺れた。「9番、ライト、坂口」。ヤクルトのファンはもちろん、15年まで11年間在籍した古巣のオリックスのファンからも驚きとともに万雷の拍手が注がれた。振り返れば、シーズンの行方を占う大きなポイントの一つだった。

 高津監督が坂口の起用を決めた。コーチ陣の中には他の案もあったが「ベテランにはプレーはもちろん、それ以外のことでも役割がある」と期待を寄せていた坂口の経験値にかけた。純粋な戦力に加え、初戦を落としていたチームの緊張感を和らげるために、まずは球場の雰囲気から変える狙いもあった。

 打席に坂口が立ては相手のファンも盛り上がる。守備では相手のファンの目の前の右翼に坂口が就く。6回には1死一塁から左前打。シーズンでは25試合出場で打率・160と精彩を欠いていたが、19年目で日本シリーズ初出場を果たすと初安打までマーク。このときばかりは敵地も一体となった。短期決戦を見据えて1軍に合流させていた指揮官は、その様子にベンチで力強く右拳を握っていた。

 終盤に2点を奪い、先発・高橋の完封勝利で1勝1敗。高橋の快投と合わせ采配がはまった。3戦目に向け本拠地の神宮に戻ったある主力選手は「グッチさん(坂口)のおかげで初戦よりアウェー感がなかった。2敗で(大阪から東京に)移動するのと、1勝1敗では疲労感が全く違うから」と証言している。

 2年連続日本一に向け、高津監督のふるうタクトにも注目したい。
(記者コラム・川手 達矢)

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2022年10月19日のニュース