常葉大橘 望月主将が心技体で初の選抜へと導く 将来の夢は「救急救命士」攻守の要がナイン助ける

[ 2022年10月19日 04:00 ]

攻守の柱を担う頼れる主将、常葉大橘・望月(これがメーン)。
Photo By スポニチ

 来春選抜の参考資料となる第75回秋季東海地区高校野球大会が22日、草薙と清水庵原の両球場で開幕する。静岡2位で出場する5年ぶり8度目の舞台。常葉大橘が束となり“初春”をたぐり寄せる。先頭に立つのは精神的支柱であり、攻守の要を担う主将・望月大和捕手(2年)。片平恭介監督(34)が現役時に敗れた海星(三重(3))との初戦にリベンジを果たし、ビッグウエーブに乗る。

 誰よりもチームを愛し、勝ちにこだわる。雨や中間テストなど思うような練習ができなかった本番までの3週間。試行錯誤しながらなんとか乗り切り、最終戦となった16日の富士学苑(山梨)、立花学園(神奈川)戦を2連勝で終えた。ナインの信望が厚いリーダー望月は「投手陣も良かったし、理想の攻撃もできました」と手応えの口ぶりだ。

 主将で4番・捕手。加えて県2位での東海大会出場は、OBでもある片平監督の18年前第57回大会と同様の立場だ。しかも、当時2回戦で3―5と敗れた相手も海星。生まれる1年前の話で当然知るよしもないが「メンバーの目の色も変わっています。勝ちたい。来春選抜に出て、橘の歴史を変えたいです」と目を輝かせる。

 素晴らしいのは技術だけではない。高橋利和副部長(36)が「普段は指導者が言う言葉を大和が口に出して伝えてくれる」と感心する通り、練習中に気付いたことがあれば一切流さず、自ら止める。強い口調での指摘は珍しくない。

 「後で後悔をしたくないんです」

 小学2年で学童・磐田スモールキング野球少年団に入団以降、卒団するまで同級生は不在だった。4年時には2年先輩、現在は明大でプレーする昨夏静岡高の甲子園エース右腕・高須大雅(1年)とバッテリーを組んだ。「常に“自分がなんとかしなきゃ”と思っていました」と心身鍛えられ、常葉大橘中ではコロナ禍でほぼ公式戦が中止に。高校で初めて多くの仲間に支えられ、大好きな野球に没頭できる環境に妥協はできなかった。

 将来の夢は「救急救命士」。心技体で仲間を助け、必ずや当確ランプをともす。

 ◇望月 大和(もちづき・やまと)2005年(平17)10月11日生まれ、磐田市出身の17歳。富士見小2年から磐田スモールキング野球少年団で野球を始め、4番・捕手で出場したしずちゅう旗県学童軟式野球大会では主将として選手宣誓。常葉大橘中では3番・捕手もコロナ禍で公式戦の場を失い、高校では1年秋に三塁手でレギュラー。終了後に直訴して捕手に転向。50メートル走6秒2。家族は両親と弟。血液型O。

続きを表示

2022年10月19日のニュース