20日ドラフト 岡田阪神の1位候補に急浮上したのは…大阪桐蔭で高校通算38発のあの選手

[ 2022年10月19日 04:00 ]

大阪桐蔭・松尾(撮影・後藤大輝)
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 20日のドラフト会議で、阪神が大阪桐蔭の松尾汐恩捕手(18)を1位候補に挙げていることが18日、分かった。高校通算38本塁打のスラッガーで、内野もできる万能選手。聖地で通算5本塁打を放った“甲子園の申し子”が、ポスティングシステムでメジャーリーグに挑戦をする高校の先輩、藤浪晋太郎投手(28)に続いて入団すれば、虎党が大いに喜びそうだ。

 阪神が“甲子園の申し子”を1位指名する可能性が出てきた。大阪桐蔭の松尾は甲子園通算5本塁打を放ったスター選手。今春選抜で優勝し、夏の選手権でも8強入りして高校野球ファンを魅了してきた。強肩の捕手でありながら、内野もこなす俊敏さと器用さを兼備。攻守でセンス満点の逸材なのだ。

 9月に米国で行われたU18W杯には、日本代表の一員として出場。打率・321、6打点の好成績で、ベストナインにあたるオールワールドチームの捕手に選出されるなど、早くも木製バットに高い順応性を示した。捕手評価ながら、運動能力の高さから、野手でも勝負できる潜在能力を秘めている。

 ある球団関係者が今秋のドラフトの補強ポイントを「右打ちの野手」と明かすように、打力を売りとする若手には、前川、高寺ら左打ちが多い。こうした状況から、高校通算68本塁打の右のスラッガー、高松商・浅野を最上位候補にしながら、松尾にも同等の力があるとして、調査を進めてきた。今夏の甲子園大会中には、畑山俊二統括スカウトが「いつ見てもコンスタントに結果を出している数少ない選手」と“三つ星級”の賛辞を贈っていた。

 巨人が1位公表をしている浅野に対し、松尾なら一本釣りの可能性もある。キャスティングボートを握る岡田新監督の胸の内はどうか。
 17日のテレビ番組で、浅野について水を向けられ「高校生だからね」と言葉を濁した。18日、甲子園球場を訪れた際にも多くを語らず、発言の真意は不明のままだ。球団内には両者を推す声があり、超高校級スラッガーのどちらを指名するのか。19日の会議に自らが加わり、1位指名の最終結論を出すとみられる。

 仮に松尾を指名すれば、猛虎との運命の赤い糸を感じずにはいられない。松尾の大阪桐蔭の先輩、藤浪のポスティングシステムが17日に容認されたばかり。12年に春夏連覇を達成した甲子園の大スターが去ったとしても、その後輩にあたる新しい甲子園のスターが入ってくる――。こんなストーリーを描ければ、聖地を本拠地とする球団としては、願ってもない展開だ。

 ◇松尾 汐恩(まつお・しおん)2004年(平16)7月6日生まれ、京都府精華町出身の18歳。川西小1年から精華アトムズで野球を始め、精華中では京田辺ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入りし、2年春から3年夏まで4季連続で甲子園出場。今秋のU18W杯でベストナインに相当するオールワールドチームの捕手に選出。1メートル78、76キロ。右投げ右打ち。

 ○…阪神がドラフト最上位で捕手を指名したのは、68年田淵幸一(法大)、82年木戸克彦(法大)、97年中谷仁(智弁和歌山)、01年浅井良(法大=自由獲得枠)、04年岡崎太一(松下電器=自由獲得枠)の5人。高卒捕手は中谷のみ。

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