阪神・浜地の“出世”の真相 恩師が感じた変化「野球に対しての目が肥えてきた」

[ 2022年9月16日 07:00 ]

阪神・浜地
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 阪神・浜地真澄投手(24)の飛躍に迫る。プロ6年目の今季は15日時点で自己最多の48試合に救援登板して防御率1・24、19ホールド。「7回の男」としてフル回転を続ける若き右腕の変化を母校・福岡大大濠硬式野球部の八木啓伸監督(45)が証言。“考える投球術”に活躍のヒントが隠されていた。

 浜地が「7回の男」として僅差の展開を任されるまでになった背景には「発想の転換」があった。

 「決め球は、あれば楽だと思うんですけど、シーズン中につかむのは難しい。任せてもらっている場面的にも試すことができない。一方で、今年は真っすぐが通用していて、打者の反応もいい。自信を持って、決め球にして勝負している」

 ウイニングショットの確立は大きな課題だった。過去には、スライダー、フォークなどを決め球として試したが、最終的には自信のある直球で勝負する結論にたどり着いた。2月の春季キャンプでは投球フォームを従来のワインドアップからセットポジションに変更。投球動作に入る際には息を深く吐いて投げる瞬間に全出力を集中させる意識を置くと球速も150キロを超えるようになった。春先から直球の土台を構築してきた。

 実は福岡大大濠時代の恩師・八木監督もある変化を感じていた。オフには教え子と電話などで会話するというが、一昨年あたりから「考え方も含めて野球に対しての目が肥えてきた」と明かした。

 「以前は変化球を身につけないといけないと話していたが、得意の真っすぐにこだわり、質を高めたことがいい方向に出ている。真っすぐに活躍のヒントがあると思う」

 高校時代から直球のキレと制球力には定評があった。その最大の武器を最大限に生かしたことが活躍を後押し。今季投球の球種別では15日時点で全体の62%が直球を締めており、同球の被打率は・204。スライダー、カーブなどの変化球に比べて好成績をマーク。また、直球にも“アレンジ”を加えていた。

 「データを見たら真っすぐも多いですし、コースも外が多いので、相手も分かっていると思う。分かっているからこそ、カットボール気味に投げたり、ちょっとタイミングをずらしたりしている」

 若き右腕は打者を考察したうえで、直球に変化をつけていることを明かした。“鮮度のいい”投球継続の裏には工夫もある。シーズン最終盤へ向けても躍動は続く。(長谷川 凡記)

《息子の活躍で「浜地酒造」が観光地化》
 浜地の両親が営む福岡県福岡市の「浜地酒造」には連日、阪神ファンが多く訪れ、観光地化しているという。父・浩充さんは「今年は来てくれるファンの方も多くなりました。応援していただいてありがたいですね」と喜んだ。浜地自身も毎朝欠かさず実家の甘酒を飲んでいるというが、ファンのお土産としても甘酒は大人気。最近は通信販売で「浜地酒造」のオリジナルタオルも売れ行き好調で、応援グッズとして人気があるなど、“出世”の反響は大きいようだ。

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