阪神、CS進出への秘策は“ジョーカー・藤浪” 18日ヤクルト戦先発後はブルペン待機でフル回転

[ 2022年9月16日 05:15 ]

ノックで声を出して駆け出す藤浪(撮影・坂田 高浩)
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 阪神の藤浪晋太郎投手(28)が18日のヤクルト戦に先発後、ブルペン待機する方針であることが15日、分かった。チームも残り8試合となり先発機会がない中、中継ぎ経験も積んだ右腕をフル回転させるクライマックスシリーズ(CS)進出への“秘策”。期待の「ジョーカー」が、まずは先発として本塁打量産中の「村上封じ」で弾みを付ける。

 後半戦はエース級の働きを見せてきた藤浪の「ブルペン待機」。それこそがCS進出への“秘策”だった。甲子園球場で投手指名練習に参加した右腕は、まず今季最後の先発登板となる18日のヤクルト戦へ闘志をみなぎらせた。

 「先発としては、たぶん最後の試合になると思うので、しっかり出し切りたい」

 8月6日に先発として1軍再昇格後、5試合連続でクオリティースタート(QS=6回以上、自責3以下)を記録するなど抜群の安定感を示してきた。前回9月9日のDeNA戦では直球を狙い打たれ、4回1/3を7安打7失点で連続QSは途切れたが、反省を生かして昨季の覇者に挑む。

 「前回は粘れなかった。すんなりいくとは思っていないけど、粘りつつやっていければ。真っすぐは武器ではあるけど、一辺倒にならないようにしたい」

 次回18日の投球内容にもよるが、19日以降は中継ぎとしてブルペンに入る見込み。今季も交流戦で5試合に救援登板し、計6イニングを無失点に抑えた。160キロの直球に加え、空振りの取れるフォーク、スライダーもあり、リリーフ適性も非常に高い。ロングリリーフも苦にせず、どんな場面でも起用できるのは矢野監督としてもありがたい。巨人、広島とのCS争いの中で重要な役割を任されそうだ。

 最後までフル回転するためにも、18日の先発登板は重要。言うまでもなく「村上封じ」がカギとなる。今季のヤクルト戦は3月25日の開幕戦の1試合のみだが、村上は2打数2三振、1四球に抑えた。今回も勝負すべき場面と、そうでない場面を見極めながら“55発男”に仕事をさせない覚悟だ。7回3失点で勝利投手の権利を持ちながら、まさかの大逆転負けを喫した開幕戦。あの悔しさを晴らす快投で、CSを呼び寄せる。

 《エース像は能見さん》〇…藤浪は今季限りでの現役引退を決断したオリックス・能見への思いも明かした。阪神時代はエースとして君臨していた大きな存在。「自分の中でのエース像は能見さん。そういう方が、引退する時が来てしまったというのが率直な思い。まだ信じられない気持ちが強い」と率直な心境を吐露した。「姿勢や振る舞いで引っ張っていた方。自分も能見さんの背中を見て育った選手の1人」。104勝左腕の“イズム”を継承し、さらなる成長につなげる。

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2022年9月16日のニュース