髪切って古巣斬り!パドレス・ダル6勝目 竜巻警報で試合開始1時間25分遅れ影響なし 28球団勝利達成

[ 2022年6月15日 02:30 ]

ナ・リーグ   パドレス4ー1カブス ( 2022年6月13日    シカゴ )

今季6勝目を挙げたパドレス・ダルビッシュ(AP)
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 パドレスのダルビッシュ有投手(35)が13日(日本時間14日)、古巣のカブス戦に先発し、今季最長8回を投げ、5安打1失点でリーグトップの7勝に1差に迫る6勝目(3敗)を挙げた。試合前に竜巻警報が発令される悪天候で試合開始が1時間25分遅れたが、失点はソロ本塁打の1点のみと圧倒。メジャー28球団勝利を達成し、チームを地区首位ドジャースとゲーム差なしに押し上げた。

 フィールドにはダルビッシュの姿しかなかった。風雨に加え、とどろく雷鳴。球場には、けたたましい竜巻警報のサイレンの音が鳴り響く。ナインやファンも一時避難。シートがかけられた二塁後方で、黙々とウオーミングアップを続けた。

 ミシガン湖から強い季節風が吹き「ウインディー・シティー(風の街)」と呼ばれるシカゴ。この日の悪天候は試合開始を1時間25分遅らせたが、ダルビッシュには関係なかった。「いろいろな球をミックスして配球で8回を投げきった感じ」。カットボール主体にスローカーブや最速95・7マイル(約154キロ)の直球で緩急をつけ、失点は2回のソロ本塁打のみ。4―1の8回2死一、三塁では、元同僚のハップをスプリットで空振り三振に仕留め、右拳を握りしめ2度もほえた。

 リグリー・フィールドでの登板はカブス時代の20年9月20日のツインズ戦以来、631日ぶり。18、19年は右肘痛や制球難に苦しんだが、20年は最多勝に輝くなど、酸いも甘いも経験したかつての本拠地だった。8月16日には36歳となる右腕は「野球をやめる人もいっぱいいる中で、ここでまた投げる機会があるのは幸せなこと」と“凱旋登板”に感慨深げ。初回、カブス時代に仲が良かったコントレラスへの内角球が抜けて死球になったが「彼だけには当てたくなかったが、真剣勝負ができて楽しかった」と古巣との対戦を心底、楽しんだ。

 トレードマークだった長髪をばっさり切り、短髪となってから初登板で切れ味鋭い好投。CBSサンディエゴのアンカーを務めるジェーク・ガレグナニ氏は「新鮮な髪形のダルビッシュは支配的だった」と称えた。メジャー28球団目の白星。残るはともに今季試合のないオリオールズと古巣・レンジャーズの2球団となったが、日本投手初の30球団勝利も見えてきた。

 《30球団勝利へあと2球団》ダルビッシュがメジャー28球団目の勝利。過去20人が達成しているメジャー30球団勝利まで、古巣・レンジャーズとオリオールズの2球団となったが、今季対戦はない。また日本投手では29球団勝利が最多で野茂英雄、黒田博樹の2人。野茂はドジャース、黒田はタイガース相手の勝利がなかった。ちなみに表に挙げた投手のうち黒田、松坂、田中将が日本では11球団、ダルビッシュ、菊池、大谷は10球団勝利。交流戦のなかった野茂は5球団だった。また、大家は10球団を相手に登板があるが勝利を挙げたのは4球団にとどまった。

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2022年6月15日のニュース