DeNA、主力なしでも戦える証明 6日の一戦はここまでのベストゲーム

[ 2022年5月9日 09:00 ]

6日の広島戦の11回1死一、二塁、神里は右中間に勝ち越しの適時三塁打を放つ (撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 DeNAは現在、佐野も宮崎もオースティンもいない。その影響もあって開幕から31試合を消化した現在は借金5で5位。その中でも6日にマツダスタジアムで行われた広島戦での延長勝利は、今季ここまでのベストゲームだったように思う。

 その試合で印象に残ったのは神里の初盗塁と倉本の初犠打。脇役の中堅が自身の役目をこなし、チームにリズムを生んだのは3―3で迎えた9回1死だ。柴田が右前打を放ち、神里が代走で登場。柴田も走れる選手だったが、神里を起用した。“ここで決める”というベンチのメッセージ。過去4年で41盗塁ながら年々盗塁数が減り、今季はこの試合前まで盗塁がなかった男はベンチの思いを胸にスタートを切った。成功。得点には結びつかなかったが、試合終盤に相手にプレッシャーをかける走りは光った。

 延長11回無死一塁では倉本が投犠打。延長戦の緊張の中、重圧を跳ね返して成功させた。意外にもこれが今季初犠打。そして、その執念が続く神里の決勝三塁打を呼び込んだ。

 少し時間をさかのぼる。4月24日に行われた同じ敵地での広島戦。3―3の9回無死一塁で大和が犠打を試みることなく右飛に倒れた。その後に2死満塁まで攻め立てたが無得点。この試合は10回サヨナラで敗れた。結果論ではあるが、9回にセオリー通りに攻めなかったことで試合の流れを失った部分もある気がする。

 今季は中軸の長打だけに頼らず、安打が少なくても得点する野球を春季キャンプから徹底的に繰り返してきた。なかなかベスト布陣が組めない苦境ではあるが、各選手が役割をこなせば白星を積み重ねることはできる。6日の試合後、三浦監督が「アナリストも含めて全員の勝利」と口にしたように、一丸でチームスローガンである「横浜反撃」を実現してもらいたい。(記者コラム・大木 穂高)

続きを表示

2022年5月9日のニュース