楽天 GW無敗の10連勝 “つなぎの4番”島内「お母さんのために打ちました」決勝2号ソロ

[ 2022年5月9日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天2―1オリックス ( 2022年5月8日    京セラD )

<オ・楽>10回、島内は勝ち越しの右越えソロ(撮影・井垣 忠夫)
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 母の日仕様のピンク色の打撃手袋で、バットを握りしめた。1―1の延長10回2死走者なし。「つなぎの4番」の楽天・島内は、珍しく「正直、一発欲しいなと思っていた」と本塁打を意識した。初球、内角高めの146キロ直球を、右翼席へ運ぶ決勝2号ソロ。昨季の打点王が、チームを球団初の10連勝に導いた。

 石川県で農業を営む一家に育った。母・裕子さんとの思い出で真っ先に浮かぶのが農作業の手伝い。「ダイコンや米、タバコ(葉)、ニンジンとかを作っていて。親と農業的なことを一緒にやっていました」と懐かしむ。

 昨年も母の日だった5月9日の日本ハム戦で、5回に決勝の適時二塁打。2年連続の殊勲打に、普段なかなか伝えられない感謝の気持ちを込めた。「お母さんのために打ちました。“いつもありがとう”という言葉を贈りたい」。今年はまだプレゼントを贈れていないが「現金を送ろうかと思います」と得意の“島内語録”も飛び出した。

 野球を通じて人の役に立ってほしいと願う母の思いを、しっかり受け止めている。昨年の球宴第2戦でMVPを獲得。賞金で両親にプレゼントしようとしたが裕子さんに「寄付したら」と助言され、本拠地・宮城と地元・石川の少年野球の連盟に計100万円を寄付。「毎年何かしらやっていきたい」と今後も社会貢献活動を続けていくつもりだ。

 チームは無敗で大型連休を終えた。それでも島内は自身のパフォーマンスに納得していない。「自分がいなければ20連勝ですね。みんなのおかげでやれている。これをきっかけに(調子を)上げていきたい」。自虐的な言葉は、向上心の裏返しでもある。 (重光 晋太郎)

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2022年5月9日のニュース