阪神・佐藤輝 追い込まれても大丈夫!!2ストライク後からしぶとく3戦ぶりマルチ「つなぐ意識で」

[ 2022年5月9日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4-3中日 ( 2022年5月8日    バンテリンD )

<中・神>佐藤輝のバットも手袋も“母の日・ピンク”(撮影・椎名 航)
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 阪神は4番・佐藤輝のしぶとさが突破口になった。3―3の8回1死二塁。「絶対につなごうと。点を取りたかったので。そういう意識だった」という気持ちが、2番手のロドリゲスにカウント2―2とされてから生きた。

 5球目の156キロ直球から130キロスライダー、153キロ直球を、3球連続でファウルにした。いずれも厳しいコースだった。「強いスイングをしていい打球を飛ばそうと思っていた」。粘った先に光があった。8球目は143キロの落ちきらない甘い変化球。「打てる球が来たので、良かった」。低く鋭い打球で中前へ運び、一、三塁にチャンスを拡大。続くロハスが放った三遊間への遊ゴロで、決勝点が生まれた。

 試合前の時点で、2ストライク後の打率は・169と苦しんでいた。プロ野球歴代6位タイの173三振を喫した新人だった昨季と同様に、今季も追い込まれた状況で大苦戦。リーグトップの34三振を喫していた。

 しかし、2戦連続で4番として出場したこの日は、2回の第1打席から簡単に倒れなかった。先発の柳に、2ストライクを奪われてから際どいコースを2球見極め、2球ファウルを打ち、最後は8球目の外に落ちるチェンジアップを当てた。結果はボテボテの投前内野安打とはいえ、食らいつく姿勢が、8回に生まれたつなぎの一打の伏線になった可能性は高い。

 母の日仕様のピンク色のバットを持って打席に入り、3試合ぶりの2安打をマークした。母・晶子さんへのプレゼントになり、「勝って、打ったんで、喜んでもらえたと思います」と感謝の思いを口にした。打線の調子が上向かない現状、期待を一身に背負う状況が続くが、2年目とは思えぬ大物感が漂うこの男なら、重圧にもひるまないはずだ。(倉世古 洋平)

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