7番降格、阪神・大山が母の日にピンクバットで奮起の同点2ラン!「切り替えないとやっていけないので」

[ 2022年5月9日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4-3中日 ( 2022年5月8日    バンテリンD )

<中・神>7回無死一塁、同点2点本塁打を放つ大山  (撮影・成瀬 徹)
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 阪神は8日、中日戦で4―3の接戦を制し、バンテリンドームで今季6戦目にして初勝利を挙げた。2点劣勢の7回に大山悠輔内野手(27)が8試合ぶりの5号同点2ランを放ち、相手に傾いていた流れをたぐり寄せた。打撃不振の影響で7日の同戦から4番を外れた。打順降格の屈辱を母の日仕様のピンクバットではねのけた大砲がチームの連敗阻止に貢献した。

 静まりかえっていた左翼スタンドが一瞬にして歓喜に変わった。2点劣勢の7回無死一塁。大山が柳のスライダーを完璧に捉えた。左中間席に同点の5号2ラン。4月29日の巨人戦以来となる8試合ぶりの一撃で流れを引き寄せた。

 「同点に追いつけたところが良かったと思います。(スライダーが)頭にないということはなかったですし、しっかり打てたところが良かった」

 難敵右腕の決め球も頭の中に入れていた。3ボール1ストライクからの5球目。低めスライダーにバットは空を切ったが、同じ轍(てつ)は踏まなかった。なおもフルカウントからの7球目。空振りした同じスライダーを仕留め、同学年対決は大山に軍配が上がった。柳からの本塁打は20年9月18日以来となる通算2本目。チームにとっては4月30日の巨人戦以来、7試合ぶりの一発となった。

 「母の日は特別な日ですけど、ここまでチームのために(貢献)できていなかったところがある。そこで打てたのは良かった。今、野球ができているということを当たり前だと思わずに、感謝の気持ちを常に持ってやらないといけない」

 母の日に合わせたピンクバットでアーチを架けた。そこには母・正枝さんへの感謝はもちろん、周囲への思いも込められていた。通算86本塁打を記録しているものの「母の日」の一発は入団6年目にして初。試合前の時点では直近5試合の打撃成績が18打数1安打と不振に苦しんでいた。前日7日の同戦では20打席ぶりに安打を記録。しかし打順は4番から6番に降格し、この日は7番で出場した。

 「切り替えないとやっていけないので。反省はしっかりしますけど、引きずっていることはできない」

 4月24日のヤクルト戦では左足を痛め、今も足にテーピングを施して試合に臨んでいる。決して万全ではないが、中心選手としての使命がある。「スタメンで出ている責任とかもある。(大山)悠輔は中心になっていかないといけない選手」。矢野監督の期待は変わらない。苦しむ大砲がたまっていたうっぷんと悔しさを晴らした。チームは5月初の一撃。鬼門・名古屋での勝利で弾みをつけた矢野阪神と同様に、背番号3の5月反攻はここから始まる。(長谷川 凡記)

 《7回劣勢から勝利は今季初》阪神は2点を追う7回に大山の同点2ラン。8回ロハスの内野ゴロの間に勝ち越して勝利。チームが6回終了時点で劣勢の状況から勝利したのは今季17試合目で初めて。過去16試合は7回以降勝ち越しはもとより、同点の場面もなく、劣勢のまま敗退していた。また開幕からのバンテリンドームの連敗も5で止めた。

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