西武・山川 母の前で2打席連発!規定打席未到達も“隠れ3冠王”

[ 2022年5月9日 05:30 ]

パ・リーグ   西武5―1日本ハム ( 2022年5月8日    ベルーナD )

<西・日>3回、3ランを放つ山川(撮影・尾崎 有希)
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 愛を込めて「母の日」と、誕生日前祝いの連発だ。西武・山川穂高内野手(30)が8日、日本ハム戦で初回に先制2ラン、3回にも3ランと2打席連続本塁打でチームの全5打点を挙げた。今季3度目の1試合2発で、本塁打した試合は11戦全勝。5月7戦6発と量産態勢に入り、独走する14本塁打に加えて、31打点もリーグトップに立った。観戦した母・喜代子さんは10日が57歳の誕生日。感謝とお祝いを2本のアーチに込めた。

 5月8日は地元・沖縄ゆかりの「ゴーヤーの日」でもある。山川にとっては「夏は毎食食べていたので好き」と言う母の味。打席に向かう前、招待席の母を「お、いるな」と確認した。

 「目の前でホームランを打てたのは最高。凄く真面目で心配性なので引き続きケガなく元気な姿を見せたい」

 初回2死一塁、杉浦の初球の直球を左中間に先制13号2ラン。「狙い球もなく、タイミングだけ合わせていこう」と初球を打ちにいった。3回1死一、三塁も初球。今度はスライダーを左中間へ2打席連発の14号3ラン。わずかふた振りで5打点を挙げ、チームに貯金1をもたらした。

 10日は、女手一つで育ててくれた母・喜代子さんの57歳の誕生日。夏場には沖縄・久米島の祖父母が作るゴーヤーが届き、毎食のように母が作ったチャンプルーが食卓に並んだ。「そんなにお金があったわけではないので」と決して裕福ではなく自身が大量の食事を取る横で、母はパンをかじっていた。手料理で中学3年間で50キロ増えた103キロの体。「ここまで体がデカくなったのはお母さんのおかげ。凄く感謝しています」と母への思いをバットに乗せた。

 多くの選手がピンク色のバットなどを使用する中、自身は練習でも一切使わなかった。「僕、違うことやるの大嫌いなんです」と打撃の感覚に支障が出ないようにした。用意されたピンクのバットは未使用で「サイン書いてお母さんにあげようかな」と笑った。

 右太腿裏の故障で今季は14試合欠場も、5月は7戦6本塁打。14本塁打に加え、31打点もリーグトップに立った。「ホームランと打点は減らない。頑張って(2冠を)獲りたい」。規定打席に25打席足りないが打率・372は、リーグトップの日本ハム・松本剛の・352を上回る。「どうせ2割6分くらいに落ちる」と言うが、3冠さえ視野に入る好調ぶりだ。

 母の日は19年も通算100号を含む2本塁打。14年のプロ初本塁打は母を初めて球場に招待した日に打った。お立ち台で「いつもありがとうございます」とスタンドの母に語りかけた山川は、降壇後は「本当に照れくさい。僕、片親で一人っ子なので…」と頬を赤らめた。(神田 佑)

 ▽ゴーヤーの日「ゴーヤーを広く知って、もっと食べてもらいたい」という願いを込め、1997年に沖縄県とJA沖縄経済連(当時)により制定。58=ゴーヤーの語呂合わせの他、この時季から生産量が増えることが由来となった。ちなみに、ゴーヤーの国内生産量は沖縄が約4割を占め、宮崎、鹿児島、群馬と続く。

 ≪不敗神話11連勝≫山川(西)が今季一発を放った試合にチームは無傷の11連勝。西武で、シーズン1号から本塁打試合でチームが11連勝以上したのは54年中西太、88年バークレオ、92年秋山幸二に次ぎ30年ぶり5人目となった。

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