阪神・陽川 現役ビーチバレー選手にヨガで弟子入り「自分の体を1ミリ単位で動かせば、より操作できる」

[ 2022年1月6日 05:30 ]

インストラクターの樫原美陽さんの指導でヨガトレする陽川(撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 阪神の陽川尚将内野手(30)が5日、和歌山県上富田町の「上富田スポーツセンター」で自主トレを行い、ヨガに取り組んでいることを明かした。故障防止を主目的に、現役ビーチバレー選手でヨガインストラクターの樫原美陽さん(23)に“弟子入り”。豪快なイメージの強い和製大砲が柔軟性を身につけた“ヨガゴリラ”となって逆襲を期す。

 打力が持ち味の陽川が、午前中はあえてバットを置いた。向かった先は芝生に敷かれたマットの上。その目的はプロ9年目にして初めて取り入れた「ヨガトレ」だった。

 「自分の体というのは全部わからないので。新しい発見ができたというのは、生かせていけると思う」

 昨年は左肩痛の影響もあって悔しいシーズンを送った。苦い経験から今オフは故障防止を目的に柔軟性のメニューを追加。午前9時に開始した練習は体幹のトレーニングにも時間を費やした。自主トレではビーチバレー選手でヨガインストラクターの樫原美陽さんに志願の弟子入り。“特別講師”の現役アスリートからヨガトレーニングの指導を受けた。

 「野球の動作をするのは、肩だけでも、足だけでもないのでね。自分の体を1ミリ単位でも、動かしていった方が、より確実に(体を)操作できる。目的に応じてしっかりやっていければと思います」

 樫原さんは悩める大砲に的確なアドバイスを送っていた。呼吸法や胸郭の動き、股関節周りを入念に確認しながら、時折「キツい」と苦悶(くもん)の表情も浮かべた。筋肉バランスの重要性を再認識しながら約1時間も汗を流した。

 「インナー(マッスル)もやってましたけど、アウター(マッスル)が固まってしまった部分はある。今シーズンは意識してやっていきたい」

 昨季は41試合の出場で、打率・174だった。現状打破へ向けて打撃フォームの微調整にも着手。「重心が高いというか、高い構えだったので、(打席で)目線のブレをなくしていく」。やや低く構えて打ち損じを減らすことが目的だ。最後には勝負の1年を見据えて胸中を吐露。「結果が出なかったら終わりという気持ちもある」。自慢のパワーに柔軟性が加わればレベルアップは確実。挽回に燃える背番号55が今年は違った姿をみせる。(石崎 祥平)

 ▽プロ野球選手のヨガトレーニング 腹式呼吸によるリラックス効果と体のバランスの調整、柔軟性向上に効果があり、故障防止のために、胸式呼吸で体幹の深層にある筋肉を鍛えるピラティス同様、自主トレのメニューに取り入れる選手が多い。阪神でも08年オフから下柳、11年オフにはブラゼルがそれぞれピラティスと併用して実施。18年オフからは藤浪が京都にある武豊騎手プロデュースのジムで、20年オフには近本が鹿児島県沖永良部島で挑戦している。

 ◇樫原 美陽(かしはら・みはる)1998年(平10)4月7日生まれ、和歌山県白浜町出身の23歳。小1からバレーボールを始め、和歌山信愛女子短大付では2年から春の高校バレー、インターハイでレギュラー。中京大3年の19年にビーチバレーに転向。現在、片田朱音とのペアで活動中。

続きを表示

この記事のフォト

2022年1月6日のニュース