広島ドラ1・黒原 「泥臭く」臨む1年目シーズン 新人王意識せず「挑戦者の気持ち」

[ 2022年1月6日 05:30 ]

スポニチ単独インタビューで新年の抱負

今年の漢字に「挑」を選んだ黒原(撮影・北條 貴史)
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 広島ドラフト1位の黒原拓未投手(22=関学大)がスポニチ本紙の単独インタビューに応じ、新年の抱負を漢字一字で「挑」と記した。球団では森下暢仁、栗林良吏と2年連続で1位指名の投手が新人王を受賞。自然と高まる周囲の期待も意識せず、「挑戦者」として1年目のシーズンに臨む覚悟を示した。

 1年目の抱負を漢字一字で表してください――。黒原は20秒間だけ黙り込んで「挑」と答えた。ドラフト1位ながら、気持ちはチャレンジャーだと言う。

 「1年目なので何事にも挑戦者の気持ちを持って泥臭くやっていきたいです。新しい環境に飛び込んで1軍の舞台に挑戦する。開幕1軍に入るためにも挑戦していかないといけないと思っています」

 これまでも泥臭く野球と向き合ってきた。好きな言葉は「ド根性」で、モットーは「妥協しない」こと。「技術もまだまだですし、プロ入ってから壁にぶつかることもあると思う。まだまだ練習しないとダメですし、休んでいる暇はない。自分がどこまでレベルアップできるのか楽しみです」と、挑戦者として誰にも負けない練習量で準備を進めている。

 球団では森下と栗林が2年連続で新人王を受賞した。同じドラフト1位の即戦力投手として2人と比較されることは避けられない。それでも、高いハードルに惑わされることはないと言い切る。

 「正直、そこまで重圧を感じていない。期待していただけるのはうれしいことだけど、考えすぎてもしんどくなるし、気にせずに自分らしくできれば大丈夫だと思っています」

 12月中もブルペン投球を行うなど、今月上旬から始まる新人合同自主トレに向けて、調整は極めて順調だ。「カープという練習が厳しい環境でやろうと思えば、体力がないといけない。スタートから遅れないように、しっかりと自分で追い込めるところは追い込んでいます」。春季キャンプの1軍スタートは内定済み。キャンプ開始早々に本領を発揮できる準備は整っている。

 「新人王を獲ろうと思えば、1軍で試合に出ないことには始まらない。自分の持ち味をしっかりとアピールして1軍に食らいつき、1年間しっかりとケガなくシーズンを戦い抜きたいと思います」

 新人左腕が新人王を受賞すれば球団史上初となる。夢は広がる――。ドラフト1位には少し似つかわしくないような泥臭さを持って、プロの扉をたたく。(河合 洋介)

 ◇黒原 拓未(くろはら・たくみ)1999年(平11)11月29日生まれ、和歌山県海南市出身の22歳。日方小1年から日方スポーツ少年団で野球を始め、海南中では軟式野球部に所属。智弁和歌山では1年秋からベンチ入りし、2年秋からエース。3年夏に甲子園出場し、2回戦敗退。関学大では1年春からリーグ戦に出場し通算13勝。4年春のリーグ戦で最優秀選手、最優秀投手、ベストナインを獲得。1メートル73、77キロ。左投げ左打ち。

 《広島新人王メモ》広島選手の新人王は昨季の栗林まで11人で、内訳は投手9人、内野手2人。投手は全員右腕。左投手の新人王は昨季宮城(オ)が選ばれておりセでは18年の東(D)が最新。ここ2年は20年森下、21年栗林と広島選手が選出。3年連続なら84年小早川、85年川端、86年長冨に並ぶチーム2度目になる。なお3年以上連続で同一チームからの選出は、08~11年の巨人4年(山口、松本、長野、沢村)と前出の広島3年の2度だけ。

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2022年1月6日のニュース