広島・大瀬良 QS率87%の真相「新しい発見だった」 意識、配球パターン、夏場の練習方法などを一新

[ 2021年12月14日 15:10 ]

広島・大瀬良

 広島・大瀬良大地投手(30)が14日、広島市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3000万円増となる1億8000万円の3年契約で更改した。(金額は全て推定)

 今季は序盤戦で右ふくらはぎ痛による離脱もあったが、10月28日のDeNA戦で完封勝利を挙げるなど、2年ぶり5度目の2桁勝利を達成。中でも光ったのが、米大リーグでは先発投手の指標となるクオリティースタート(QS=6回以上、自責点3以下)だ。大瀬良は23試合の登板で20回達成しQS率は87%。これは規定投球回に到達した投手の中では頭一つ抜けた数字で、森下(広島)が79.2%、柳(中日)が76.9%、大野雄(中日)が72.7%だった。

 大瀬良は、昨オフに右ひじの手術を受けている。今季は投げている中で7回や8回に「ちょっとしんどいな」と感じる時もあったという。「そこでバテちゃうくらいだったら、しっかり6回、7回ぐらいまでちゃんとゲームをつくれるように、というところを意識して、完投というよりかは6回、7回ゲームをつくろうという意識で今年1年はやっていました」と発想の転換があった。これまでは常に完投を目指していたが、「そこで次の試合、崩れてしまうのであれば良くない」と、まずは6回や7回まで最少失点でしのぐことを目指したことが奏功した。

 また、打ち込まれた際の配球パターンの見直しや、夏場のトレーニング方法を一新したことも要因。夏場でも調整ではなく、厳しい練習を課した。「そっちの方が体の慣れとか、そういう風にやっていくことが僕には合っているのかなと思えた夏場だったので、その辺は新しい発見だった」。30歳となった今後も、練習量を落とすことは考えていない。「維持させていくのがこの歳から大事になってくる。そのためにはやっぱりトレーニング量を減らすのではなくこれまで通り、もしくは多少増やしていく」と計画し、「僕は走ってきて、ここまで来られた人間なので、しっかり走ってまだまだこの体を維持していけるようにやっていきたい」と基本の走り込みを挙げた。

 来季以降、やみくもに完投を目指すわけではないが、こだわりも強い。「完投が少なくてある程度試合をつくれていたのが今年だった。こういうのもアリなのかなと思っている自分もいますし、ただ、イニング数は伸ばしていきたいと思うので、平均イニングとかは」と投球回の平均値を上げることを目標に掲げ、その成果として「自然と完投する試合も増えていく」と頭に置いていた。

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2021年12月14日のニュース