阪神ドラ4・前川 金本の背番「6」の継承誓う 早くもスラッガーの貫禄 まずは「58」で結果残す

[ 2021年12月14日 05:30 ]

 マッチョポーズを披露する阪神ドラフト4位・前川 (撮影・平嶋 理子)
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 阪神は13日、大阪市内のホテルで育成を含む新入団8選手の入団会見を行った。背番号「58」に決まったドラフト4位・前川右京外野手(18=智弁学園)は、将来的に球団OBの「鉄人」金本知憲氏(53=本紙評論家)が背負った背番号「6」の継承を熱望。高校通算37本塁打のスラッガーは、目標とする選手に佐藤輝の名を挙げ、開幕1軍を目指すことを高らかに宣言した。

 前川は真新しいタテジマのユニホームに袖を通し、晴れの日を迎えた。胸に青雲の志を抱いて――。直後の会見の中でその一端を披露することになった。

 新入団選手のお披露目の席上。新背番号も発表となったばかりだった。一人一人が抱負などを語っていき、前川も右にならって意欲を語った。その締めくくりだ。矢野監督から「前川、将来、何番ほしいんやっけ?」と水を向けられると即答した。「6番です!」。近年では現役、監督時代に金本氏が背負い、今は準永久欠番扱いの背番号「6」の継承を大々的に公言。実は会場入りの直前、一足早く指揮官に「6」の希望は伝えており、本番での絶妙なアシストに背中を押される形で、表明できた。

 「金本さんの番号で智弁学園に教えに来ていただきましたし…偉大な方の背番号」

 「6」を希望する理由は当然、「鉄人」への憧れからだ。今年3月の選抜前、テレビ番組の企画で同校を訪れた金本氏から直接指導を受ける僥倖(ぎょうこう)に恵まれた。当時は絶不調。だが腰の回転を「平行に回せ」と助言を受けたことをきっかけに状態は上向いた。集大成となる夏の甲子園大会では2本塁打を放つこともできた。初めて「プロ」の風格を肌で感じ取り、オーラにひかれた。「偉大な(金本)選手のようになれるように」。ほれこんだ「鉄人」の背中を追い求める姿勢が「6」の継承希望へとつながった。

 とはいえ足元は見失わない。待望の「6」を背負うためにも、まずは「58」を背負って結果を残すことが先決だ。「この背番号でしっかり頑張って、その先にあると思うので、まずはこの番号でしっかり頑張りたい」と言葉に力を込めた。

 目標とする選手には佐藤輝の名を挙げた。「バットを振らなくても打つな、という雰囲気しかない。いるだけですごい選手」。新人ながら今季24本塁打を放った怪物の威圧感や立ち居振る舞いに感銘を受け、同じ外野手で左のスラッガーの背中を直近目標に定めた。

 すでに指揮官からは「体とかも大丈夫だったら1軍キャンプの可能性がある」と示唆されている。そこで結果を残せば…。「大きいことを言うかもしれないですけど、開幕1軍というところを一つの大きな目標に立てて、誰も達成したことのないような結果を残して、1年目から1軍でやっていくように準備したい」。自慢のバットを振るい、前人未到の道を切り開く。

 ○…阪神高卒新人の開幕1軍入りは90年以降で見ても投手の13年藤浪だけと珍しい。野手では過去に57年並木輝男、74年掛布雅之らのケースがあり、並木は2リーグ制以降でチーム唯一の開幕戦先発出場(6番・右翼)を果たしている。

 ▽阪神の背番号6 初代は球団創設期の主砲だった景浦将。66年からは初の球団生え抜き2000安打の藤田平が19年間、85年からは和田豊が引き継ぎ17年間使用した。前監督の金本知憲は現役時代の03~12年と監督時代の16~18年の2度、13年間使用。12年の現役引退時には功績を称えて永久欠番とする案も浮上したが、本人が辞退。以降は、ふさわしい選手が現れるまで準永久欠番扱いになっている。

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