ソフトB メジャー109発のガルビスと契約合意 “バナザード2世”の期待 又吉と投打で補強

[ 2021年12月14日 05:30 ]

フィリーズ時代のガルビス(AP)
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 ソフトバンクが投打で補強に成功した。中日から国内フリーエージェント権(FA)を行使した又吉克樹投手(31)が13日、ホークス行きを決断した。背番号は若田部、馬原らが背負った「14」が濃厚。また、今季フィリーズなどで活躍したメジャー109発の両打ち大砲、フレディ・ガルビス内野手(32)の獲得も発表。2年契約で合意した。V奪回の準備は着々と進んでいる。

 懸案だったリリーフと強打者の補強が、ダブルで確定した。願ってもない朗報だ。沖縄出身右腕の又吉と、助っ人大砲の来季加入が同じ日に決まった。又吉について、オンライン対応した三笠杉彦GMが「今日、本人から“お世話になります”とご連絡がありました。決断してくれて大変うれしい。中継ぎとして経験も実績もあり、安心して任せられる投手」と喜んだ。

 FA権を行使した右腕に、中日側は3年約4億円の条件を提示していたとみられる。又吉は4年6億円(推定)の好条件を提示したソフトバンク入りを決断し、中日側にも13日朝に伝えた。

 球団は背番号について、できるだけ希望に沿う意向だ。しかし、中日で背負った「16」は同郷で同学年の東浜。独立リーグ時代の「21」は和田。そこで、ドラフト1位右腕の若田部健一、加治屋蓮、侍ジャパン経験もある07年セーブ王、馬原孝浩など右の力投派がつけてきた「14」を用意する予定だ。11月4日生まれの「4」も含まれる数字。球団関係者は「そこが本線になっていくでしょうね」と推していた。7回の男の有力候補加入で、残留するモイネロと“新・勝利の方程式”完成に向けて戦力が整った。

 新外国人野手も獲得した。今季は打線のつながりを欠いた影響もあってBクラス。2軍監督として1軍を見ていた藤本監督は南海、ダイエーの現役時代に共闘したバナザード氏を理想の助っ人として挙げていた。「コンスタントに(打率)3割打てて本塁打20本。打ったら走れる。全力疾走ができる外国人が一番必要です」と58歳の誕生日だった11月8日に語っていた。

 球団は希望通りに“バナザード2世”をプレゼント。バナザード氏と同じ中南米出身、右投げ両打ちの内野手、ガルビスと契約合意に達した。背番号は3に決まった。

 メジャー5球団で10年間プレーし109本塁打、966安打、426打点、57盗塁。残留したデスパイネ、グラシアルを据える打線に厚みを加える大砲は「チャンピオンのタイトルを再び福岡のファンにお届けするため、プレーできる日を心待ちにしています」とコメントした。

 1点を守り抜く、1点をもぎ取るスタイルが理想の藤本ホークス。今季1点差試合は8勝19敗。リーグVと日本一奪回に向け、接戦をものにする「矛と盾」がやってくる。(井上 満夫)

 ◇フレディ・ガルビス 1989年11月14日生まれ、ベネズエラのブント・フィホ市出身の32歳。12年にフィリーズでメジャーデビューし18年にパドレス、19年ブルージェイズ、レッズ、今季はオリオールズとフィリーズでプレー。主に二遊間を守り、MLB通算10年で1102試合に出場。通算966安打、109本塁打、426打点、57盗塁、打率.246。1メートル78、86キロ。右投げ両打ち。

 ◇又吉 克樹(またよし・かつき)1990年(平2)11月4日生まれ、沖縄県出身の31歳。西原から環太平洋大に進み、四国IL・香川を経て、13年ドラフト2位で中日入り。14年から5年連続40試合登板など救援陣をけん引。今季はチーム最多の66試合に登板した。1メートル81、74キロ。右投げ右打ち。

 ▼ソフトバンク・三笠杉彦GM(ガルビス獲得の狙いを)内・外野手のパフォーマンスを比べたとき、優勝に向けて内野の打撃が課題かなというのがあった。三塁、遊撃、二塁の経験もあり、層を厚くする目的で獲得した。

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2021年12月14日のニュース