巨人も参戦 夢語れる環境が整い始めた女子野球 明るい未来に期待

[ 2021年12月14日 09:00 ]

12月8日に行われた巨人感謝祭で女子野球チーム発表。記念写真に納まる(左から)原監督、島野愛友利、金満梨々那、吉安清、山下陽夏、宮本球団社長付アドバイザー(撮影・森沢裕)
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 巨人が、23年からのヴィーナスリーグ参加を目指す女子野球チーム創設を発表した。8日に両国国技館で開催されたファン感謝イベントでは、1期生の4選手が巨人のユニホームに袖を通し、ファンの前に登場した。

 1期生となったのは、神戸弘陵・島野愛友利投手(3年)、至学館・吉安清投手(3年)、平成国際大・金満梨々那捕手(4年)、大体大・山下陽夏外野手(4年)の4人だ。今夏、史上初めて甲子園で決勝が行われた全国高校女子硬式野球選手権大会で、胴上げ投手となった島野は「普段応援とかで着るユニホームとは違って、女子野球の大きな責任を背負って着ているので、すごくありがたい気持ちでいっぱい」と喜んだ。

 少子化の影響などで野球人口は減少しているが、高校、大学を含めた女子野球人気はは15年ごろから上昇し、現在の競技人口は2万人以上とされる。NPBでは西武、阪神に続く女子チームの創設。島野も「自分自身、女子野球の先を見た時に大きな夢っていうのが持てなかった」と率直な思いを語り、「女子野球を頑張ってる人たちが自然に女子野球を目指せるような、そういった女子野球になっていくことに少しでも貢献したいなと思います」と今後の発展に寄与することへの決意も示した。

 そうした思いは他の選手も同じ。長打力が魅力で大体大では4番の山下は「女子野球も選手の人口が増えている。この球団設立がその流れを加速させる活動ができれば」と語れば、最速127キロを誇る右腕の吉安は「女子が速い球を投げたりとか、巨人でメディアの方に見てもらったほうが、多くの女子選手に見てもらえる」と注目度が上がることを喜んだ。

 強肩強打の捕手・金満は「女子ならではの笑顔だったり、仲の良さを伝えていきたい」と話す通り、男子とはまた違った雰囲気も女子野球の魅力の一つだ。神戸弘陵と高知中央が対戦した甲子園での決勝戦でも、選手たちはプレー中にも明るく笑顔で声を掛け合っていた。「和気あいあい」に近いものを感じる中で、聖地で試合ができる喜びを表現していた姿には、心を打たれた。
 徐々に「プロ野球」の夢を語れる環境が整い始めていることは、多くの女子選手の希望になっているはず。明るい未来に期待したい。(記者コラム・田中 健人) 

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2021年12月14日のニュース