ルーキーも衝撃「世界が違う」 松田宣が作り上げる“空気感”

[ 2021年2月20日 09:30 ]

特守を受けノッカーに向かって大きな声を出す松田(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクキャンプのA組(1軍)とB組(2軍)では、練習の雰囲気が全く違う。その差を生み出しているのが松田宣浩内野手(37)の存在だ。誰よりも率先して声を出し、ナインを活気づける。その姿につられて、若手野手も声を出し、練習に盛り上がりが増す。いいプレーは互いに褒め合い、ミスをした選手には厳しい声が飛び交う。まるで高校野球の練習を見ているようだ。

 11日、A組「1日研修」に参加したドラフト3位のルーキー牧原巧(日大藤沢)は衝撃を受けた。「A組とB組では雰囲気が全く違いました。世界が違う感じがしたので、早くここでできるようにしたい。松田さんはオーラがあって、勝手に声が出てしまう雰囲気があった。気が引き締まりました」。松田が作り上げる空気感を肌で感じてた。

 少人数の特守でも変わらない。「はい、サード!」とノックを呼ぶ声はグラウンド全体に響き渡る。右の大砲候補リチャード、初のキャンプA組で今年ブレークが期待される増田と三塁手の定位置を争う3人で黙々とノックを受ける。「声小っさくなってきたよリッチ。ずっと出しとけ!」。「増男(増田)さん元気なくなってきたよ~」と若手にはっぱをかけ続ける37歳。ノッカーの本多雄一内野守備走塁コーチも「松田さんが1番声出ているよ」と評価するほどだ。

 16年目のシーズン。通算10度のゴールデングラブ賞を目標にしている松田。まずは9度目の獲得へ闘志を燃やす。昨年ブレークした栗原が三塁手に挑戦するなど、し烈なレギュラー争いとなるが「痛いところはどこもない。今年はキャリアハイを目指したい」とホットコーナーは譲るつもりはない。プレーや声に刺激され、レベルアップを目指す若手。その追随を許さない松田。このサイクルが4年連続日本一の原動力となっている。「熱男」の元気印としての存在価値は計り知れない。(記者コラム・福井 亮太)

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2021年2月20日のニュース