DeNAのドラフト5位・池谷 4年越しの「大きな」リベンジ 高校時代に盗塁許した藤原をけん制で刺す

[ 2021年2月20日 20:32 ]

<練習試合D・ロ>紅白戦に登板した池谷(撮影・島崎忠彦)
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 戦いの中では小さなプレーも、本人には大きなリベンジだった。

 DeNAのドラフト5位・池谷蒼大投手(ヤマハ)が20日のロッテとの練習試合(宜野湾)に7回から3番手でプロ対外試合初登板。1回を無安打2三振と快投した。

 無安打投球も価値はあるが、左腕にとってそれよりも大きかったのが「けん制アウト」だ。

 武器のチェンジアップを駆使して9番の山口から2者連続三振となる空振り三振を奪ったあと、打席には売り出し中の「1番・藤原」が打席に立った。

 対戦は偶然。だが試合前に「藤原選手が(先発で)出場しているのを知って、対戦できたらいいなと思っていた」という池谷にとっては「お導き」だったのかもしれない。

 17年センバツ2回戦。静岡―大阪桐蔭。初回にともに6点を奪い合ったこの大会の最も激戦と言われた一戦。11―8で大阪桐蔭が勝利したが、静岡の先発は池谷だった。

 そして大阪桐蔭の先頭打者は藤原。池谷は初回、先頭打者の藤原に、高めの甘い球を中前にはじき返され二盗も許した。先制の6点を奪われる足がかりを与えた形だ。

 さて練習試合。池谷は2死から藤原に四球を許した。2死で一走・藤原。池谷は打者・小川に投じた4球目のあと、巧みなけん制で藤原を誘いだし二塁寸前でタッチアウトとした。「四球は素晴らしい選手で力んでしまったが、けん制はテーマでもあったので自分には大きいかなと思う」

 キャンプ中には木塚投手コーチからけん制の足の出し方を教わっている左腕。実戦初登板で結果を出したことは大きいし、相手があのとき盗塁を許し「6点」につなげられた藤原とあれば言葉通り「大きな」リベンジにもなった。

 リーグが違う両者が、練習試合ならではの形で対峙した。藤原はプロでは先輩だが、学年は池谷が1つ上。プロの初舞台で成し遂げた“先輩”への予期せぬ「リベンジ」。ちょっとした物語が、池谷にとっては大きな意味を持つ結果となった。

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2021年2月20日のニュース