広島・新外国人クロン、エルドレッドに似てる!野村謙二郎氏「日本野球学ぶ姿勢」を高評価

[ 2021年2月20日 08:30 ]

18日にロングティーの球拾いを手伝うクロン
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 元広島監督でスポニチ本紙評論家の野村謙二郎氏が広島の沖縄キャンプを視察。新外国人ケビン・クロン内野手(28=ダイヤモンドバックス)の日本野球に学ぼうとする姿勢を高く評価し、在籍7年間で133発を放った「エルドレッドに似た雰囲気がある」として中軸での活躍を期待した。実戦はここまで10打数1安打ながら、大砲候補も修正に自信をのぞかせた。(構成・江尾 卓也)

 広島の沖縄キャンプを視察した。コロナ禍で多くの新外国人選手の来日が不透明な中、いち早く準備してキャンプに参加したことからも分かるように、クロンが日本の野球をリスペクトし、学ぼうとていることは姿勢から伝わってくる。

 実際、何人かの選手に聞くと“すごくいいヤツですよ”と返ってきた。首脳陣も「面白い」と声をそろえる。練習中に自ら声を発し、チームメートが“ナイス”と返す溶け込み方を見ると、エルドレッドを思い出した。雰囲気がそっくりだ。

 ポジションはファースト、サード。一塁守備は無難にこなす。何より、声が出ているのがいい。現場のスタッフからすると、守備に対して意欲があり、積極的に取り組もうとしていることが、声ひとつで感じられるもの。この姿勢は大事だ。

 常にファーストを守り、4番か中軸を打ち続けてくれるのが理想だが、シーズンではサードに入るケースがあるかもしれない。その場合は松山が一塁。外野には左の西川、野間がいて、右の長野もいる。バリエーションがすごく広がる。

 肝心の打撃。見た感じはローボールヒッターだ。助っ人にはこのタイプが多い。エルドレッドの来日時と比較すると、彼は全球打ちたいといった感じで高めのボール球を振らされたが、クロンは高めを振らないと聞く。

 攻め方はアウトコースの変化球、体に近いインサイドの高め。パワーヒッターにはどの外国人にもそうした配球になるが、開幕をうまく滑り出し、かつ実戦でイライラするようなことがなければ、そこそこやるのでは…と現段階では思う。

 助っ人選手ではあるが、クロンにはムードメーカー的な雰囲気を感じる。彼が打つことによって、鈴木誠がより生きるだろうし、田中広や菊池涼の中軸に回そうという意欲も増すと思う。打線の厚みがグッと増す。

 チームに親しみを持ち、日本で頑張るんだ…という意気込みを感じるクロン。ぜひ成功してもらいたい。(本紙評論家)

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2021年2月20日のニュース