ヤクルト 無観客でも浦添のため「損得勘定なし」グッズ販売 売り上げは例年の1割程度

[ 2021年2月8日 05:30 ]

おすすめの奥川タオルを手に笑顔のオフィシャルグッズショップ浦添店の喜屋武由梨さん(撮影・村上 大輔)
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 【新様式キャンプリポート最前線】ヤクルトがキャンプを行う球場のある浦添運動公園内では、今年も公式グッズショップが営業している。コロナ禍で無観客開催のため、球場で観戦はできない。それでも約100メートル離れた場所に建てられたショップには足を運べる。

 利益を見込めず、ショップを設営していない球団が大半の中、販売員の喜屋武(きゃん)由梨さん(34)は説明する。「“地元の人たちのために損得勘定なしで開こうと決めた”と球団の方から聞きました」。ヤクルトが浦添でキャンプを張るようになって今年で22年目。毎年、協力してくれる関係者や楽しみにしてくれている沖縄のファンへの恩返しが最大の理由だ。

 店内には選手のタオルや帽子、球団マスコットのつば九郎のグッズも並ぶ。売り上げは例年の1割程度と苦しいが、宜野湾のDeNAや北谷の中日などキャンプ地が近いプロ野球ファンが噂を聞きつけ訪れるという。喜屋武さんは「沖縄以外のヤクルトファンの友達から頼まれた地元の方がキャンプ限定グッズを買いに来たりもします」と話してくれた。

 隣接する物産コーナーを担当する浦添市観光協会の吉田きららさん(26)は「保育園の時にキャンプを見に来た記憶があります。それからヤクルトファンです」。コーナーに置かれたキャンプ限定グッズを製作している革小物専門店「レザーベース」には毎年、新人選手が休養日に訪れ、革製品作りを体験するが、今年は中止。工房長の赤嶺武浩さん(52)は「いつもなら、そこで記念撮影するんですけどね」とソファを指さしながら寂しげに話した。

 浦添の地にとって、ヤクルトはもはや文化。切っても切り離せない関係だ。(ヤクルト担当・青森 正宣)

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2021年2月8日のニュース