DeNAドラ2牧 衝撃の初打席弾!12球団新人1番乗りで開幕二塁アピール

[ 2021年2月8日 05:30 ]

DeNA紅白戦   白組4ー4紅組 ( 2021年2月7日    宜野湾 )

紅白戦で左越えソロを放つ牧(撮影・島崎 忠彦)
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 番長軍団、新星ヨロシク!DeNAは7日、今キャンプ初の実戦となる1軍対2軍の紅白戦を行い、1軍の「6番・二塁」で出場したドラフト2位の牧秀悟内野手(22=中大)が初打席で本塁打を放った。2回に左翼後方の防球ネットに当てる120メートルの特大ソロ。三浦大輔新監督(47)が期待する和製大砲候補は12球団の新人で最速の「プロ1号」を放ち、開幕スタメンをアピールした。

 打ったルーキーよりも、確信していた。1軍ベンチで牧の打球を見届けた三浦新監督の表情が緩んでいく。

 「すぐ、(本塁打になると)分かった。きれいな放物線だなあと思って見ていた」

 0―3の2回。先頭の牧は昨季4勝を挙げた2年目左腕の坂本が投じた135キロの直球を強振し、左翼席後方の防球ネットに突き刺した。実戦初打席初アーチ。それも120メートルの特大弾だ。「打った瞬間に完璧に捉えたと思った。自分らしい本塁打が打てた」。昨年から4キロ増えた97キロの巨漢は、太腿も競輪選手並みの69センチ。だから軸がぶれず、腰の鋭い回転で飛ばした。ベンチでは三浦監督にコロナ対策の「エア肘タッチ」で出迎えられた。

 走塁のセンスも光った。4回の第2打席は四球を選ぶと、続く柴田の右邪飛の間に二塁を陥れた。50メートル6秒4と決して俊足ではないが、状況判断で先の塁を奪い、実戦初采配となった三浦監督を「走塁も良かったし、積極的にやってくれた。打つだけの選手じゃないと分かったのが収穫」とうならせた。

 コロナ禍でソト、オースティンら全10人の外国人の来日にメドが立たない中、指揮官は若手の台頭を期待。大学日本代表の4番も務めた新人がいきなりアピールし、視察した巨人の中里篤史スコアラーも「飛ばす力がある。村田修一さん(現巨人野手総合コーチ)のようになれる」と横浜時代の4番打者の名前を出し、警戒心を強めた。

 昨季限りで退団したロペスの背番号2を継承。今季はロペスが守った一塁を二塁のソトが守り、牧は正二塁手を柴田、田中俊、伊藤裕らと争う。松本第一(長野)、中大でいずれも1年春の公式戦からレギュラーになった男は開幕スタメンへ「1年目でも、そこはしっかり目指していきたい」と力強く話した。

 昨年12月の入団会見で「ハマのムードメーカーになる」と宣言。初実戦を盛り上げた新人に、指揮官は「誰かと重ねて見ることはない。“牧”と思って見ている」という。牧という男にほれ込み、誰とも比較しない。番長らしい言葉だ。22歳もこう言った。「初打席で打てたのは自信になる」。その自信が深まれば、開幕スタメンも近づいてくる。(大木 穗高)

 【牧 秀悟(まき・しゅうご)】
 ☆生まれ&サイズ 1998年(平10)4月21日生まれ、長野県出身の22歳。1メートル78、97キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 小1から野球を始め、松本第一では甲子園出場なし。高校通算11本塁打。中大で東都大学リーグ通算5本塁打を放ち、3年春に首位打者、同秋にMVPを獲得。3年時の日米野球で大学日本代表の4番に座り、昨年のドラフト2位で入団。契約金7700万円、年俸1300万円。

 ☆自慢の刈り上げ 母の寿奈美さんが地元の長野県中野市内で美容室「COCO」を経営。入寮前に母に髪を刈り上げヘアにカットしてもらい「髪形がアピールできれば店にも注目が集まる」。

 ☆マイブーム ユーチューバーの「コム ドット」を視聴。トークや企画に熱中し「リラックスのために活用している」。

 ☆好物 白米と肉の組み合わせなら何でも。宜野湾キャンプでは初めて食べた沖縄そばに感動し「ほぼ毎日食べています」。

 《ルーキー野手開幕戦先発なら3年ぶり》DeNAの新人野手が開幕戦に先発出場すれば18年神里(7番右翼)以来3年ぶり。二塁で起用されたのは16年柴田だけで、牧が先発二塁なら球団2人目になる。また、チームの新人で開幕戦に安打を記録したのは09年山崎憲晴の3安打を最多に7人。うち本塁打は60年黒木基康が中日戦で唯一マークしている。

 ▼阪神・太田貴スコアラー うまく反応した。ああいう打ち方ができるなら警戒しないと。

 ▼中日・前田新悟スコアラー 落ち着いた雰囲気。守備もいいね。阪神の大山みたいになったら怖い。

 ▼広島・土生翔平スコアラー 本塁打も凄いけど、その後の四球も冷静に選んだ。

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2021年2月8日のニュース