鈴木啓示氏 上背ある阪神・藤浪が振りかぶれば、相手には相当の威圧感与える

[ 2021年2月8日 08:00 ]

阪神紅白戦   紅組3-7白組 ※特別ルール ( 2021年2月7日    宜野座 )

ワインドアップで投球する藤浪(撮影・坂田 高浩)
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 【鈴木啓示 視点】ワインドアップに戻そうとする阪神・藤浪の挑戦に期待したい。上背のある投手が思いきって振りかぶったら、相手には相当の威圧感を与える。ボールの力も比例して増す。力感があった紅白初登板。佐藤輝との対戦でも「プロの球を見せてやる」という気持ちが見えた。

 昨年のキャンプではストライクが入るかどうか、という段階だった。中継ぎを経験し、自分の中でつかんだものを、ワインドアップで発揮したい思いは理解できる。制球を意識して加減するより豪快に投げる方が似合う投手。しかしまだ完全ではない。本人も不安の方が多いと思う。開幕までにモノにできるかは、これから次第だ。

 動作が大きくなるワインドアップはクセが出やすい。私にも経験がある。阪急のスペンサーという選手によく打ち込まれたのだが、米国に戻るときに「ひとつ教えてあげる」と言われたのが振りかぶったときのクセだ。左手首の血管の浮き具合で、変化球かどうかが分かったという。次のシーズンから手首が隠れる長いアンダーシャツを着たが、藤浪にもライバルの細かいチェックが入るはずだ。

 挑戦は楽ではないが、乗り越えれば得るものは大きい。諦めることなく、理想の形に向け、進んでほしい。(スポニチ本紙評論家)

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