「エースをねらえ!」日本ハム・ドラ1伊藤、ブルペンで26球熱投アピール 栗山監督も絶賛

[ 2021年1月20日 05:30 ]

ブルペンで投げ込む伊藤(撮影・沢田 明徳) 
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 日本ハムのドラフト1位右腕・伊藤大海投手(23=苫小牧駒大)が19日、新人合同自主トレ3度目のブルペン投球。初めて捕手が座った状態で26球を投じた。視察した栗山英樹監督(59)は、先発と抑えの適性を併せ持つ155キロ右腕の立ち居振る舞いを絶賛。有原航平投手(28)がメジャー移籍し手薄な投手事情に「エースをねらえ!」の願いを込めた。

  次世代のエースの座を狙う。千葉・鎌ケ谷の室内練習場のブルペン。栗山監督らが見守る中、伊藤がスライダー、フォークなど変化球を交えて26球の熱投を見せた。

 「緊張ももちろんあったけど、自分がどういう段階まできているかの確認作業がメイン。特にアピールする場所ではなかった」と落ち着いた様子で説明。指揮官の目を引いたのも、球筋以上にその伊藤の姿だった。「自分のことが分かっている感じ。安心した。みんなが見ているから変に上げたりとかもないし自分がやらなきゃいけないことをしっかり地に足を着けてやっている。自分の道筋が見えている」と目を細めた。

 自身のやるべきことを着実にこなす姿に、栗山監督は「藤堂さんに似ているよね」と漫画「エースをねらえ!」で主人公・岡ひろみが思いを寄せ、生徒会長も務める「藤堂貴之」の姿を重ねた。「ドカベン」「あぶさん」と並ぶ自身の青春時代の漫画トップ3に「エースをねらえ!」を挙げる指揮官は「藤堂さんは(岡ひろみの)成長のきっかけになるんだ」と力説。有原が抜け、手薄となる投手陣を底上げする存在に期待した。

 選手をファーストネームで呼ぶことが多い栗山監督は、伊藤を「ヒーロー」という意味も込めた「ヒロ」と呼ぶことも決定。伊藤をそう呼ぶのは両親と幼なじみくらいで、大学時代などは「ヒロミ」と呼ばれていた。「ヒロの方が近い感じがしてうれしい。(ファンからの愛称も)浸透してくれればうれしい」と笑顔を見せた。

 キャンプは1軍スタートが濃厚。指揮官から「キャンプより先を見据えた準備をして」と声を掛けられた即戦力右腕は「いい確認ができた」と満足げ。順調に調整を重ね、エースの階段を駆け上がっていく。 (東尾 洋樹)

 ▽エースをねらえ! 1973~75年、78~80年まで「週刊マーガレット」で連載された少女漫画。主人公・岡ひ ろみが宗方仁コーチの指導の下、一流テニスプレーヤーを目指す物語で、テニスブームを起こした スポ根漫画としても有名。73年にテレビアニメ化、04年には上戸彩主演でドラマ化された。ひろみが憧れる竜崎麗香(お蝶夫人)や、ひろみと恋仲になる生徒会長の藤堂貴之(藤堂先輩)、ひろみの親友の愛川マキら脇役も人気を集めた。

 ◆伊藤 大海(いとう・ひろみ)1997年(平9)8月31日生まれ、北海道茅部郡鹿部町生まれの23歳。鹿部小2年から軟式野球を始め、鹿部中では函館東シニアに所属。駒大苫小牧では2年春に甲子園出場。卒業後は駒大に 進学したが、同年秋に退学。翌年に苫小牧駒大に入学した。2年春に北海道六大学リーグMVP。2、3年時に侍ジャパン大学代表に選出された。1メートル76、82キロ。右投げ左打ち。父・清光さんは漁師。
 

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